【華語文法】受身文

もくじ

受身文

受身表現の文。特定の介詞や動詞を用いる。

介詞を用いる

介詞「被bèi、讓ràng、叫jiào、使shǐ、使得shǐde」などを用い、「主語(受動者)+介詞+名詞(動作主)+述語動詞」の形で使われる。

  • 被bèi:(動作主に)⋯⋯される。例:我被人打了。/ 他的自行車被小偷偷走了。/ 那本小說被小王借走了。/ 杯子被孩子摔壞了。/ 他被大家批評了一頓。
    • c.f.「被」を使った受動文は本来、受動者が迷惑や被害などを受けたと感じる場合に用いる。しかし、現代中国語では「被」の伝統的用法制限は緩和され、受動者にとって望ましい場合などにも用いる。例:他被選為人民代表。
    • c.f. 動作主が不特定多数であったりはっきりしない場合、または明示する必要のない場合は、「被」の後ろに置かれる動作主を省略することができる。例:他的自行車被偷走了。
  • 讓ràng:⋯⋯される。例:稻田讓洪水淹沒了。
  • 叫jiào:⋯⋯される。例:錄音機叫他弄壞了。
  • c.f.「被、讓、叫」は「把」構文と併用される。例:「文型」の「『把』構文」を参照してください。
  • c.f. 「被」と「讓、叫」の相違点
    • 話し言葉では「讓、叫」をよく用いる。一方で、公の席で厳粛に言うときは「被」を用いる。
    • 「被」と「讓、叫」の用法は同じだが、「被」は動作主を省略できて、「讓、叫」は動作主を省略できない。
  • 給gěi:⋯⋯される。例:那本書給他拿走了。
    • c.f.「讓」と「叫」は使役表現でも使用される。使役表現は受身表現と語順が同じなので、両者の判別は前後の文脈等から行うしかなく、非常に混同しやすい。
  • 於yú:⋯⋯される(書き言葉)動作行為の主体を導いて受身の意味を作ることがあり、動詞(句)、形容詞の後に用いられる。例:這裡原有一座古塔,清代時毀於地震。/ 昨天棒球比賽美國隊三比二輸於日本隊。/ 見笑於人。

動詞を用いる

「受、挨、遭」などの少数の動詞は受身の意味をもち、上述の受身を表す介詞を用いずとも受身の意味を表すことができる。

  • 受shòu:⋯⋯される
    • 他から教育、鼓舞、関心、重視、援助などの働きかけを受けることを表す。目的語が「歡迎、鼓舞、感動、稱讚、啟發」などの場合、「受」は「很」などの程度の副詞によって修飾される。例:我受了大學教育。/ 我們受王同志指揮。/ 這個節目很受歡迎。
    • 他から批判、脅迫、圧迫、侮辱、搾取、監督などの被害を被ることを表す。例:小王受了批評。/ 我們受王同志指揮。
  • 挨ái :(誰かに、何かに)⋯⋯される。例:我挨了兩次罵。/ 我挨了他兩次批評。/ 那時常常挨工頭打。
  • 遭zāo:(不幸なこと、不利なことに遭遇して)⋯⋯される。例:那年發大水,很多地方都遭了水災。/ 他遭了多次挫折。/ 遭人家罵/ 遭他騙。