【華語文法】動詞

もくじ

動詞

動詞は、動作、行動、出来事を表現するために使用される単語。

動詞の種類

  • 自動詞(不及物動詞):目的語を取らない動詞。例:跑、坐、睡、笑
  • 他動詞(及物動詞):その節の中で目的語をとり、主語から目的語に向かう(あるいは及ぶ)動作を表す動詞。例:買、做、說
  • 自動詞にも他動詞にもなれる動詞:このような動詞は、目的語の有無で自動詞か他動詞かを判断する。
    • 門開了。(目的語がないので自動詞)
    • 他開了門。(目的語があるので他動詞)
  • 状態動詞:一般的には形容詞と呼ばれ、ある人や物の状態、様子を表す。詳しくは「品詞」の「形容詞(状態動詞)」を参照してください。例:大、小、高、低
  • 助動詞:動詞や形容詞の前に置かれて、可能、願望、義務、必要などを表す。詳しくは「品詞」の「助動詞」を参照してください。例:會、能、可以
  • 変化動詞:ある状態から別の状態への瞬間的な変化を指す。 動作動詞は動的、状態動詞は静的、変化動詞は動的かつ静的であると単純に考えることができる。例えば、動詞「死(死ぬ)」は「活(生きている)」から「死(死んだ)」への瞬間的な変化を示す。例:死、破、感冒、壞、忘記、變成、丟、結婚、生病、畢業
  • 離合動詞:二音節動詞の中で、前後2つの形態素が分離するもの。その分離した間に修飾語句などが挿入される。例えば、二音節動詞「幫忙」の「幫」と「忙」が分離し、その分離した間に修飾語句「你的」が挿入されて「我來幫你的忙。」となる。詳しくは次項の「離合動詞」を参照してください。

離合動詞

離合動詞は、二音節動詞の中で、前後2つの形態素[註1]が分離するもの。その分離した間に修飾語句などが挿入される。また、形態素は分離するだけでなく、後ろにあった形態素が前に移動することもある。二音節動詞の離合動詞には「幫忙、見面、吃飯、洗澡、唱歌、上網、打架、放心、幽默、生氣、結婚、生病、畢業」などがある。(當代中文課程,B1L9, 文法2)

[註1]形態素:言語学の用語で、意味をもつ表現要素の最小単位。ある言語においてそれ以上分解したら意味をなさなくなるところまで分割して抽出された、音素のまとまりの1つ1つを指す。

離合動詞の分類

離合詞は「動詞+目的語」で構成されるものと、「動詞+補語」で構成されるものに分類できる。

  1. 「動詞+目的語」型
    • 目的語をとる場合:
      • 「動詞+目的語」型の離合詞は目的語をとることができない。目的語は介詞を用いて動詞の前に置かれる。例:我跟他見面。
    • 連体修飾語で修飾する場合:
      • 「動詞+目的語」の「目的語」が連体修飾語で修飾される場合、離合詞は前後2つの形態素に分離されて、その分離した間に連体修飾語が挿入される。例:我來幫你的忙。
    • アスペクト助詞をとる場合:
      • アスペクト助詞を用いる場合、離合詞は前後2つの形態素に分離されて、その分離した間にアスペクト助詞が挿入される。例:我見過面他。
    • 量詞をとる場合:
      • 動量補語や時量補語として「数詞+量詞」を伴う場合、離合詞は前後2つの形態素に分離されて、その分離した間に「数詞+量詞が挿入される。
        • 我見過他一次面。
        • 我跟他見過一次面。(目的語をとる場合との併用)
    • 結果補語をとる場合:
      • 結果補語を伴う場合、離合詞は前後2つの形態素に分離されて、その分離した間に結果補語が挿入される。例:我吃完飯。
    • 「副詞+否定副詞」をとる場合:
      • 「副詞+否定副詞」を伴う場合、離合動詞は前後2つの形態素に分離されて、さらに離合動詞の目的語部分が前置され、その前置された離合動詞の目的語部分と動詞部分の間に「副詞+否定副詞」が挿入される。すなわち「離合動詞(目的語) + 副詞+否定副詞 + 離合動詞(動詞)」の形になる。例:我飯都沒吃。
  2. 「動詞+補語」型
    • 「動詞+補語」の動補構造をとるもののうちで「動詞+結果補語」と「動詞+方向補語」は離合動詞となり、動詞と補語が分離されて、その分離した間に修飾語句が挿入されたり、結果補語と方向補語の派生形である可能補語を作るために「不/得」が挿入される。
      • 動詞+結果補語:例えば「看懂」は「看(動詞)」と「懂(結果補語)」が分離されて、その分離した間に「不」が挿入されて「他看不懂英文書。」となる。
      • 動詞+方向補語:例えば「進來」は「進(動詞)」「來(方向補語)」が分離されて、その分離した間に場所を表す「屋裡」が挿入されて「外面冷,你進屋裡來吧。」となる。

動詞が使われる文型の種類

  • 動詞述語文:動詞(句)が述語となる文。詳しくは「文型」の「述語文」を参照してください。例:他來(去)。
  • 兼語文:述語部分が二つ以上の動詞(句)からなる文。詳しくは「文型」の「兼語文」を参照してください。例:這部電影太感人,讓許多人忍不住哭了出來。
  • 連動文:述語部分が複数の動詞や句からなり、それら複数の動詞句が並列、動目(動詞-目的語)、動補(動詞-補語)、主述(主語-述語)、修飾などの関係を持たない文。詳しくは「文型」の「連動文」を参照してください。例:他來看。

動詞の表現方法

動詞の重複:動詞を重複させて、動作行為が短時間で行われること、動作が軽微であることを表す。詳しくは「その他の表現」の「重複表現」を参照してください。例:找醫生看看吧。