【華語文法】文型

もくじ

文型

述語文

「主語+述語」からなる、中国語の基本的な語順をした文。述語の種類よって以下の4つに分類される。

  1. 動詞述語文:動詞(句)が述語となる文、つまり「主語+動詞(句)」の形をとる文。例:他來(去)。/ 我吃飯。/ 我給他禮物。
  2. 名詞述語文:名詞が述語となる文。出身、年齢、職業、天候、価格、年月日、曜日、時刻などを主語として表す。例:我是台灣人。/ 我是十八歲。/ 我是中文教師。/ 今天是晴天。/ 一個芒果是一百塊錢。/ 明天是三月二十九號。/ 今天是星期一。/ 現在是早上九點。
  3. 形容詞述語文:形容詞が述語となる文。肯定形は基本的に「很、非常」などの程度を表す副詞で修飾しなければならない。例:我很高興。/ 這棟大樓非常高。
  4. 主述述語文:主語の後ろの述語となる部分に文(主語+述語)が置かれる文。例:他工作很忙。/ 今天人很多。/ 昨天天氣好。

否定文

「不bù、沒méi(有yǒu)」を用いて否定表現する文。動詞の種類によって「不」と「沒(有)」のいずれかを用いる。対応は以下の通り。

動詞の種類沒(有)
動作動詞OO
状態動詞(形容詞)OX
変化動詞XO
  • 動作動詞の否定
    • 「不」での否定は「好まない、習慣的にしない、したくない」を表す。例:我不喝咖啡。
    • 「沒(有)」での否定は「過去に起こらなかった、したことがない」を表す。例:我沒喝咖啡。
  • 状態動詞(形容詞)の否定
    • 状態動詞(形容詞)は、正反対を示す「不」によってのみ否定することができる。例:今天不熱。
  • 変化動詞の否定
    • 変化動詞は、過去に起こらなかったことを示す「沒」によってのみ否定することができる。例:我還沒決定要不要去旅行。
  • 「不」のその他の使い方
    • 助動詞を否定する。例:他不會做飯。
    • 「是、像、喜歡」のような動作を表さない動詞を否定する。特に「不是búshì」は「⋯⋯というわけではない」を意味し、情報確認に応答する時に使われる頻出表現。例:Q.他是不是台灣人? A. 他不是台灣人,他是泰國人。
    • 諾否疑問文の答えとして使用される。例:Q.你去嗎? A.不,我不(想)去。
    • 可能補語として使用される。例:我聽不懂。
  • 「沒(有)」のその他の使い方
    • 所有表現に用いる。例:我沒有車。
    • 存在表現に用いる。例:外面沒有人。
    • アスペクト助詞「了、著、過」を伴う文における否定表現に用いる。例:作業我還沒做完。/ 我沒去過泰國。/ 我現在沒想著結婚。(完了を表すアスペクト助詞「了」の否定文は、完了していないことを意味することになるため「了」が省略される)
  • c.f.「不」と「沒(有)」の相違点
    • 一般的に「不」は「未来を否定する」ために用いられ、「沒(有)」は「過去を否定する」ために用いられる。
    • 「不」は動作行為、変化や状態の発生を主観的に否定するために用いられ、「沒(有)」は動作行為、変化や状態が起こっていないことを客観的に述べるために用いられる。
  • 全体否定と部分否定
    • 「都」を「不」の直後に置く場合、すなわち「[主語]+都不+[動詞句]」の場合は、全体否定を表して「[主語]はすべて[動詞句]ではない」の意味になる。一方で、「都」を「不」の直前に置く場合、すなわち「[主語]+不都+[動詞句]」の場合は、部分否定を表して「[主語]のすべてが[動詞句]というわけではない」の意味になる。これは「都」だけでなく「副詞+形容詞」を否定する場合にもあてはまる。
      • 全体否定:
        • [主語]+都不+[動詞句]:[主語]はすべて[動詞句]ではない。例:他們都不是臺灣人。
        • [主語]+[副詞]+不+[形容詞]:[主語]は[副詞][形容詞]ではない。例:身體太不好。
      • 部分否定:
        • [主語]+不都+[動詞句]:[主語]のすべてが[動詞句]というわけではない例:他們不都是臺灣人。
        • [主語]+不+[副詞]+[形容詞]:[主語]が[副詞][形容詞]だというわけではない。例:我身體不太好。

疑問文

質問主が質問相手に答えるという形で情報の提示を求める文。文末に「?」を用いる。形式によって以下の4つに分類される。

  1. 反復疑問文:述語部分で肯定形と否定形を並べて、回答する側に肯定か否定かのいずれかを選ばせる文。否定形の部分を「沒有」に置き換えても反復疑問文を形成できる。例:他來不來?/ 你能不能來?/ 他來了沒有?
  2. 選択疑問文:接続詞「還是háishì」で2つの要素を並べ、回答する側にどちらかを選択させる文。例:他來還是你來?/ 你吃飯還是看電視?/ 你是台灣人還是日本人?
  3. 疑問代詞疑問文:疑問代詞を使用して作る文。例:他是誰?/ 他什麼時候回來?/ 他去哪裡?/ 這個多少錢?
  4. 省略型疑問文:語気助詞「呢ne」を名詞(句)の直後に置いて、前後の文脈や状況等から推測可能な質問内容を簡略化し、「あなたは?」のように相手へ手短かに聞き返す文。また、節に直接「呢」をつけて「もし⋯⋯だったら?」という仮定のニュアンスを付与する。例:我吃牛肉麵,你呢?/ 他不去呢?

兼語文

述語部分が二つ以上の動詞(句)からなる文で、前後二つの動詞のうち、前の動詞1の目的語が、意味の上で後の動詞2の主語となっている、つまり「主語+動詞1+目的語(兼語)+動詞2⋯⋯」の形をとる文。動詞の種類によって以下の4つに分類される。

  1. 動詞1に使役表現を用いた文。例:這部電影太感人,讓許多人忍不住哭了出來。
  2. 動詞1に受身表現を用いた文。例:我們受王同志指揮。
  3. 動詞1に愛憎、好悪表現を用いた文。例:我喜歡他工作認真。/ 大家都嫌他脾氣太急。
  4. 動詞1に「有yǒu(沒有méiyǒu)」を用いた文。例:唐朝有個詩人叫李賢。/ 有人找你呢。

使役文

使役表現の文。兼語文の型をとり、使役動詞「讓ràng、叫jiào、給gěi、請qǐng、使shǐ、使得shǐde、令lìng」を用いて「主語+使役動詞+受け手(兼語)+動詞/形容詞⋯⋯」の形で使われる。各々の使役動詞の説明は以下の通り。

  • 讓ràng:(その人の望みどおりに)⋯⋯させる。⋯⋯させておく。例:我一進屋,老師要我坐下。/ 到台南旅行讓我參加吧!/ 讓他們議論去吧!
  • 叫jiào:(言いつけて)⋯⋯させる。例:不叫他去,他偏要去。
  • 請qǐng:(お願いして)⋯⋯してもらう、ごちそうする、招く。例:請你幫我微波。/ 他請我吃晚餐。/ 我們要請老工人做報告。
  • 給gěi:(⋯⋯させるため人に物を)与える、⋯⋯することを許す。例:你給他書看,他就不鬧了。/ 請給我看一下您的護照。/ 你把這本書給我看看。
  • 使shǐ:⋯⋯させる(書き言葉)例:他這句話使大家很高興。/ 虛心使人進步,驕傲使人落後。
  • 使得shǐde:⋯⋯させる(書き言葉)例:收入的增加,使得生活逐漸有了改善。/ 所有這些,使得階級關係發生了根本的變化。
  • 令lìng:⋯⋯させる(書き言葉)例:令人起敬。 / 令人鼓舞。

使役動詞について詳しく知りたい方は、以下の記事を見てみてください。

【中国語文法】使役動詞「讓,叫,請,使,使得」について

相談者 「讓, 叫, 請, 使, 使得」って何かいまいち理解できてないんだよねぇ まさ先生 例えば「讓ràng」は、中国語学習テキスト「當代中文課程」では「to let someone… [more]

受身文

受身表現の文。特定の介詞や動詞を用いる。

介詞を用いる

介詞「被bèi、讓ràng、叫jiào、使shǐ、使得shǐde」などを用い、「主語(受動者)+介詞+名詞(動作主)+述語動詞」の形で使われる。

  • 被bèi:(動作主に)⋯⋯される。例:我被人打了。/ 他的自行車被小偷偷走了。/ 那本小說被小王借走了。/ 杯子被孩子摔壞了。/ 他被大家批評了一頓。
    • c.f.「被」を使った受動文は本来、受動者が迷惑や被害などを受けたと感じる場合に用いる。しかし、現代中国語では「被」の伝統的用法制限は緩和され、受動者にとって望ましい場合などにも用いる。例:他被選為人民代表。
    • c.f. 動作主が不特定多数であったりはっきりしない場合、または明示する必要のない場合は、「被」の後ろに置かれる動作主を省略することができる。例:他的自行車被偷走了。
  • 讓ràng:⋯⋯される。例:稻田讓洪水淹沒了。
  • 叫jiào:⋯⋯される。例:錄音機叫他弄壞了。
  • c.f.「被、讓、叫」は「把」構文と併用される。例:「文型」の「『把』構文」を参照してください。
  • c.f. 「被」と「讓、叫」の相違点
    • 話し言葉では「讓、叫」をよく用いる。一方で、公の席で厳粛に言うときは「被」を用いる。
    • 「被」と「讓、叫」の用法は同じだが、「被」は動作主を省略できて、「讓、叫」は動作主を省略できない。
  • 給gěi:⋯⋯される。例:那本書給他拿走了。
    • c.f.「讓」と「叫」は使役表現でも使用される。使役表現は受身表現と語順が同じなので、両者の判別は前後の文脈等から行うしかなく、非常に混同しやすい。
  • 於yú:⋯⋯される(書き言葉)動作行為の主体を導いて受身の意味を作ることがあり、動詞(句)、形容詞の後に用いられる。例:這裡原有一座古塔,清代時毀於地震。/ 昨天棒球比賽美國隊三比二輸於日本隊。/ 見笑於人。

動詞を用いる

「受、挨、遭」などの少数の動詞は受身の意味をもち、上述の受身を表す介詞を用いずとも受身の意味を表すことができる。

  • 受shòu:⋯⋯される
    • 他から教育、鼓舞、関心、重視、援助などの働きかけを受けることを表す。目的語が「歡迎、鼓舞、感動、稱讚、啟發」などの場合、「受」は「很」などの程度の副詞によって修飾される。例:我受了大學教育。/ 我們受王同志指揮。/ 這個節目很受歡迎。
    • 他から批判、脅迫、圧迫、侮辱、搾取、監督などの被害を被ることを表す。例:小王受了批評。/ 我們受王同志指揮。
  • 挨ái :(誰かに、何かに)⋯⋯される。例:我挨了兩次罵。/ 我挨了他兩次批評。/ 那時常常挨工頭打。
  • 遭zāo:(不幸なこと、不利なことに遭遇して)⋯⋯される。例:那年發大水,很多地方都遭了水災。/ 他遭了多次挫折。/ 遭人家罵/ 遭他騙。

連動文

連動文とは、述語部分が複数の動詞や句からなり、それら複数の動詞句が並列、動目(動詞-目的語)、動補(動詞-補語)、主述(主語-述語)、修飾などの関係を持たない文。

分類

連動文は、以下の2通りで分類できる。

  1. 連動文を構成する動詞句の形式からの分類
    • 動詞が並んだもの。2つの動詞のうち一方は「來」か「去」に限られる。例:他來看。/ 我們今天一起去吃飯吧!
    • 一方の動詞句がアスペクト助詞「了」や「著」を伴うもの。例:我去吃了回來了。/ 我在床上躺著看書。
    • 一方の動詞句が重複されるもの。例:為了成功試試看。
    • 目的語を伴うもの。例:我坐公車去。
  2. 連動文を構成する動詞句間の意味関係からの分類
    • 前後して起こる動作を表す。例:我買牛肉麵吃。
    • 後の動詞句が前の動詞句の目的を表す。例:他去機場接朋友。
    • 前の動詞句が後の動詞句の手段、方法、方式を表す。例:我每天坐計程車上班。/ 我用毛筆書法。
    • 後ろの動詞句が前の動詞句を修飾する。前の動詞句には「有(沒有)」が用いられる。例:雖然我想買房子,但我沒有錢買。
    • 肯定と否定を並べてある事実を説明する。例:他緊握朋友的手不放。

語順

連動文では基本的に、動作や事態の発生順、道理の上での順に動詞(句)を並べる。例えば「我開車去了。」と「我去開車了。」は意味が異なる。前者は「私は車を運転して行く」、後者は「私は行って車を運転する」の意味になる。

存現文(存在文と現象文)

存現文は、事物や事象の存在、出現、消失を表す文。存現文はさらに、存在を表す「存在文」と「出現、消失」を表す「現象文」に分類される。

存在文

ある場所、ある時間に、人や物(目的語)が存在している様子を表す。「[場所/時間]+[動詞]+著+[人/物]」の形で「[場所/時間]には[人/物]が[動詞]している」を意味する。例:桌子上放著一本書。

この構文は同じく存在を表す存在の「有」と同じ語順を取る。存在を表す「有」はただ「ある」という存在を述べているのに対して、存在文の「[動詞]+著」は、その存在の様子を具体的に述べている。

  • 牆上有一張地圖。(壁には一枚の地図がある。)
  • 牆上貼著一張地圖。(壁には一枚の地図が貼ってある。)

現象文

ある場所、時間に、事物や事象が出現したり消失したりする現象を表す。「[場所/時間] + [動詞] (+結果補語/方向補語) (+了) + [人/物]」の形で、「[場所/時間]から[人/物]が[動詞](+結果補語/方向補語)した」を意味する。例:前面走過來兩個人。

  • 出現を表す:我們宿舍來了一個新同學。
  • 消失を表す:我們樓裡搬走了一家人。

比較文

「比bǐ、比較bǐjiào、有yǒu、沒有méiyǒu、A 跟gēn/和hàn B 一樣yíyàng、不如bùrú、像xiàng、最zuì」などを用いた比較表現の文。

  • 比bǐ:⋯⋯と比べて
    • 二つのものを比較する場合に用いる。「A+比+B+[形容詞]」の形で「AはBより[形容詞]だ」を意味する。例:我比他高。
    • 「不」か「不是」のいずれかで否定でき、「比」の前に置く。例:我不比他高。/ 我不是比他高。
    • 「很hěn、真zhēn、非常fēicháng」のような程度の副詞を形容詞の前に置けないが、形容詞の後ろに「一點yìdiǎn、得多de duō、多了duō le」を付けることで形容詞の程度を表すことができる。例:我比他高一點。/ 春天比夏天舒服得多。/ 春天比夏天舒服得多了。
    • 様態補語「得de」と組み合わることができる。「比」は「得」の前でも後ろでも置くことができて、どちらも意味は同じ。例:他說中文比我說得好。/ 他說中文說得比我好。
  • 比較bǐjiào:比較的⋯⋯
    • 暗黙の比較を伝える。その比較は文脈を基にして理解される。例:我們家,姐姐比較會做飯。
    • 「比較」は直接に否定を取れない。否定は本動詞に付随する。例:昨天比較不熱。
  • 有yǒu(華語では使われない)
    • 「A+有+B+[形容詞]」の形で使われて「AはBと同じぐらい[形容詞]だ」を意味する。「B」が人や場所を表す場合、[形容詞]の前に「這麼(こんなに)、那麼(そんなに)」をよくつける。例:
  • 沒有méiyǒu:(こんなに/そんなに)⋯⋯ではない
    • 否定表現で比較する場合に用いる。「A+沒有+B+那麼/這麼+[形容詞]」の形で使われて「AはBほど[形容詞]ではない」を意味する。例:問題沒有那麼嚴重。
  • A 跟gēn/和hàn B [形容詞]:AはBと[形容詞]だ
    • 介詞「跟/和」は「A+跟/和+B[形容詞]」の形で比較を表す。[形容詞]の部分にその差や量を表す語を置いて比較対象を示す。例:他跟你差不多。
  • A 跟gēn/和hàn B 一樣yíyàng (+形容詞):AはBと同じ(ぐらい[形容詞])だ
    • 「A+跟/和+B+一樣+[形容詞]」の形で使われて、2つの人、物、事柄が同等であることを表す。例:這支手機跟那支手機一樣。/ 妹妹跟姐姐一樣高。
    • 否定は「一樣」の前に「不」を置くか、「跟/和」の前に置く。例:這支手機跟那支手機不一樣。/ 這支手機不跟那支手機一樣。
  • 不如bùrú:⋯⋯の方が良い
    • 「A 不如 B+[形容詞]」の形で「AよりもBの方が[形容詞]なので良い」を意味する。AとBにはそれぞれ同じ品詞(名詞や動詞)または構造(名詞句や動詞句)のものを当てはめる。例:這匹馬不如那匹馬快。
    • 接続詞「與其」と組み合わされて「與其 A 不如 B」の形で「AよりはむしろBだ」を表す。書き言葉で使われる。例:與其坐車不如坐船。
  • 像xiàng:似ている
    • 動詞「像」は「A+像+B」の形で使われて、両者が似ていることを表す。例:他的口音不像北方人。/ 他像你一樣聰明。
    • 「A+跟/和+B+(+很)像」の形でも表せる。例:妹妹和姐姐很像。
  • 最zuì:最も
    • 副詞「最」は3つ以上の人や物の中で最上位(最下位)であることを指す。例:中文是世界上使用人數最多的語言之一。

「是」構文

「是shì」は、判断文と存在表現に用いられる。

判断文

「主語が目的語である」ことが、真であるか偽であるか表す文。動詞に「是shì」を用いて主語と目的語をイコールで繋ぐ、つまり「[主語] + 是 + [目的語]」の形をとる文。構文としては動詞述語文と同じ形になる。例:我是日本人。

  • 「是」は動詞なので、「也、都」などの副詞はその前に置く。例:他也是日本人。/ 他們都是日本人。
  • 否定形を作る場合は、「是」の前に「不bú」をつけて「不是búshì」とする。例:我不是台灣人。
  • 疑問形を作る場合は、一般の動詞述語文の場合と同様に文末に「嗎」を付け、表記する場合は「嗎」の後ろに「?」をつける。例:他是日本人嗎?/ 他們都是日本人嗎?

存在表現

「[場所]+是+[存在する人や物]」の形で「[場所]に[存在する人や物]がいる(ある)」を意味する。例:屋子裡到處是灰。

「是⋯⋯的」構文

すでに発生、実現した過去の動作の主体、時間、場所、方式などを強調する文。強調する部分を「是shì」と「的de」の間に挟む。

  • 主語を強調する。例:是我買的。
  • 時間を強調する。例:我是昨天買的。
  • 場所を強調する。例:我昨天是在夜市買的。
  • 方式を強調する。例:你是坐公車來的嗎?/ 他是怎麼來台灣的?
  • 目的語が「的」の後ろに置かれることもある。目的語が代詞の場合、目的語の後方に方向補語がついている場合は、目的語を後置できない。例:我是昨天到的台北。

「有」構文

「有yǒu」は、所有文や存在表現、連動文など様々な表現に用いられる。

所有文

主語が目的語を所有していることを表す文。動詞に「有yǒu」を用いて主語が目的語を所有しているかどうか、つまり「[主語] + 有 + [目的語]」の形をとる文。構文としては動詞述語文と同じ形になる。例:我有自行車。

  • 「有」は動詞であるため、「還、也」などの副詞はその前に置く。例:
  • 否定形を作る場合は、「有」の前に「沒méi」をつけて「沒有méiyǒu」とする。例:我沒有自行車。
  • 疑問形を作る場合は、一般の動詞述語文の場合と同様に文末に「嗎」を付け、表記する場合は「嗎」の後ろに「?」をつける。もしくは反復疑問文を用いる。疑問形の場合は目的語に量詞などの修飾語はつかない。例:你有自行車嗎?/ 你有沒有自行車?
  • 返答する場合は「有(沒有)」を単独で用いることができる。例:Q.你有自行車嗎? A.有(沒有)。

存在表現

「[場所/時間]+有+[存在する人や物]」で「[場所/時間]に[存在する人や物]がいる(ある)」を意味する。時間や場所が目的語を「所有している」ところから転じて、存在の意味になった。目的語には量詞などの修飾語がつく場合が多く、目的語は「不特定の、未知の」ものをいう。例:屋裡沒有人。(場所)/ 那天晚上有月亮,天不太黑。(時間)

  • 行為や状態などを表す動詞(句)は「[場所/時間]+有+[存在する人や物]」の後ろに置く。構文としては兼語文と同じ形になる。例:屋裡有人穿衣服。

連動文

「有(沒有)」は連動文を構成することができる。前の動詞句に用いて、後ろの動詞句の修飾を受ける。例:我現在有時間解決這個問題。(所有文)/ 家裡還有一些事要做。(存在表現)/ 唐朝有個詩人叫李賢。(存在表現)

程度表現

性質や数量が一定の程度に達することを表す。

  • 「有⋯⋯這麼/那麼 + [形容詞/動詞]」の形で、ある事物と同じくらいの度量や程度であることを示し、「こんなにも[形容詞/動詞]である」を意味する。例:我哥哥個子有房門那麼高。
  • 「有+[数量] (+形容詞)」の形で、その数量にまで達していることを表し、「[数量](の[形容詞])がある)」を意味する。例:這棵樹有兩公尺(高)。

発生、出現表現

ある事態や状態の発生、出現を表す。「有了」や「一有」の形で、いくつかの二音節動詞または抽象名詞をよく伴う。例:在同學們的幫助下,他有了許多進步。/ 一有問題就去解決。

事物や時を漠然と表す

「人、一年、一天、一次」などを伴って、特定の人や過去の特定の時を具体的に誰、何時と明確にしないで漠然と表す。例:

  • 「有人+[動詞]」の形で「ある人が[動詞]する(した)」を意味する。例:有人不同意我的意見。
  • 「有一年(有一天、有一次) + [動詞や節]」の形で「ある年(日、時)に[動詞や節]する(した)」を意味する。例:有一年夏天這一帶下了一場大雨。/ 我有一次在街上碰見了他。
  • 「有人(有地方、有時候) + [動詞、形容詞、節]」の形で、そうした人(場所、時)が部分的または臨時的に存在することを示し、「ある人(場所、時)は[動詞、形容詞、節]する」を意味する。例:有人說好,有人說不好。/ 中國的冬天有地方下雪,有地方不下。/ 我喜歡足球,有時候也打棒球。
  • 「有」が「的」を伴う「有的人(地方、時候)」の形も同じ意味で用いる。例:我有的時候喜歡足球,有的時候也打棒球。

「把」構文

介詞「把bǎ」によって目的語を動詞の前に出し、その目的語に対して処置を加えることを強調する構造で、「目的語に対して処置を加える、その処置によって何らかの結果を生じさせる」ことを意味する文。命令の意味で使われることも多い。

「把」構文の構造

介詞「把bǎ」によって目的語が動詞の前に出される構造で、語順は「[主語]+把+[目的語]+[述語動詞]」となる。例:我把他批評了。

  • 助動詞や「不/沒」などは通常「把」の前に置く。例:你應該把這本書借給他。/ 他沒把失敗當回事。
  • 受身文を形成する介詞「被、讓、叫」と併用される。
    • 「[主語]+被+[名詞]+把+[目的語]+[述語動詞]」のように述語動詞の目的語が「把」によって動詞の前に導かれて、「[主語]は[名詞]に[目的語]を[述語動詞]される」を意味する。「把」の目的語は「被」の前の主語の一部か主語と同一のものを指し、後者の場合は「把+[目的語]」を省略することもある。例:那個蝴蝶被小孩兒把翅膀弄碎了。/ 那個調皮鬼被我(把他)趕走了。
    • 「[主語]+讓+[名詞]+把+[目的語](+給)+[動詞]」の形で「[主語]は[名詞]に[目的語]を[動詞]される」を意味する。「給」は無くても意味は変わらない。例:他讓樹枝把衣服掛破了。
    • 「[主語]+叫+[名詞]+把+[目的語]+[述語動詞]」の形で「[主語]は[名詞]に[目的語]を[動詞]される」を意味する。例:鋼筆叫他把筆尖摔壞了。

「把」構文の意味

最も基本的でよく使われる「把」構文の意味は「目的語に対して処置を加える、その処置によって何らかの結果を生じさせる」ことであるが、他にも複数の意味がある。

  • 目的語に対して処置を加えることを強調する、またはその処置によって何らかの結果を生じさせることを示す。例:我把他批評了。/ 我把他的鼻子打出了血。/ 他把車開進大門口來了。
  • 目的語が表す場所での行動を表す。例:我把圖書館都找遍了。
  • 述語が「氣、急、忙、累、痛、樂、嚇、凍」などの動詞や形容詞とその結果を示す補語から構成されている場合、「結果として⋯⋯するようになる」という意味を示す。例:走了一天路,可把我累壞了。/ 把我凍得直哆嗦。
  • 望ましくない事態の発生を表す。述語に動詞「病、跑、死、飛」などを用いて、「把」の直後の名詞が述語の対象というよりも述語の主体である場合、話し手にとって思いどおりにならない事柄を述べる。例:偏偏把老李病了。
  • 「把」何かに対してまたは何かを相手にして「⋯⋯する」を意味する。例:我把他沒辦法。
  • 「我把你這個⋯⋯」の形で後ろに述語が現われない場合、相手に対する叱責やあきらめの気持ちを示す。例:我把你這個小淘氣鬼!

「把」構文の用法上の注意点

「把」構文は、処理や動作の結果としてどうなるのか(どうなったのか)を示す構文なので、「把」構文の述語動詞部分は動詞単独では終わらず、その後ろには結果を示す部分が続く。結果を示す部分には補語、動量詞、動詞の重複などが用いられる。また、「把」に導かれる目的語は、話し手と聞き手の双方にとって「特定のもの、既知のもの」でなければならない。

  • 「把」構文としての正否
    • O:他把車開進大門口來了。(「車を運転した」結果として「表門を入って来た」ことを示す)
    • X:*他把車開。(動詞単独なので、間違った使用例)
  • 「把」に導かれる目的語の正否
    • O:我把車票丟了。(どの「車票」であるのか文脈から特定できる)
    • O:我把這張車票丟了。(指示代詞を用いると、どの「車票」であるのか特定される)
    • X:*我把一張車票丟了。(不特定な「1つ」なので、間違った使用例)
  • 述語動詞部分のパターン
    1. 結果補語が用いられる。例:我把新買的手機弄壞了。
    2. 方向補語が用いられる。例:他把桌子上的東西收起來了。
    3. 様態補語が用いられる。例:他把衣服洗得很乾淨。
    4. 動量詞が用いられる。例:請把房間打掃一下。
    5. 目的語が用いられる。例:我把這個消息告訴了李先生。
    6. 動詞の重複が用いられる。例:請把那本書的內容給大家介紹介紹。
    7. アスペクト助詞「了」や「著」が用いられる。例:我把車票丟了。/ 你把這本書拿著!
    8. 「在⋯⋯」「成⋯⋯」「給⋯⋯」が用いられる。例:他把地圖掛在牆上了。/ 請你把這個句子翻譯成英文。/ 請把這本小說還給小玲。

感嘆文

驚きや強い感動を表す文。中国語では、感嘆文は文法形式としては存在せず、感嘆詞、語気助詞、イントネーションで感嘆を示す。「真」「多麼」などの副詞によって感嘆を示すことも多い。また、感嘆文を表記する場合は、文末の句点(。)の代わりに感嘆符(!)を用いることが多い。疑問の語気を帯びる場合は疑問符(?)を用いる。

  • 「啊」「了」などの感嘆を表す語気助詞を文末置く。詳しくは「助詞」の「感嘆を表す語気助詞」を参照してください。例:我中獎了!
  • 「多」「多麼」「好」などの程度を表す副詞を用いて感嘆を示す(感嘆を表す語気助詞をよく伴う)。詳しくは「副詞」の「感嘆を表す副詞」を参照してください。例:你好厲害呀!
  • 「啊」「哎」「哎呀」「哦」などの感嘆詞を用いる。これらの感嘆詞は喜怒哀楽のような感情、承諾や反対、呼び掛けなどを表し、単独で感嘆文を形成する。感嘆詞の後に感嘆する原因や理由を述べる文が続く。詳しくは「感嘆詞」を参照してください。例:哎! 小心一點!

複文

意味上関連のある2つ以上の単文を組み合わせて構成した文。複文では前後の単文(文節)の意味関係を明示するため、接続詞や副詞がよく用いられる。詳しくは「品詞」の「接続詞」を参照してください。

  1. 仮定を表す:要是⋯⋯,就~。
  2. 条件を表す:不管⋯⋯,也~。
  3. 譲歩を表す:就是⋯⋯也~。
  4. 逆接を表す:⋯⋯,可是~。
  5. 逆接譲歩を表す:雖然⋯⋯,但是~。
  6. 重ね加えることを表す:不但⋯⋯,而且~。
  7. 因果関係を表す:因為⋯⋯,所以~。
  8. 時間的な前後関係や順序を表す:⋯⋯,然後~。
  9. 選択を表す:與其 A 不如 B。
  10. 並列を表す:⋯⋯和~。
  11. 判断を表す:⋯⋯,可見~。
  12. 目的を表す:⋯⋯,免得~。

所在文

主語(人や物)が目的語の場所に所在することを表す文。詳しくは「その他の表現」の「所在表現」を参照してください。例:他不在家。