【中国語文法】使役動詞「讓」について

まさ
masa

さて、私が在籍した師範大学語学センターは、独自に作成・出版した「當代中文課程(現代中国語コース)」を使用しています。

このテキスト、他のたくさんの語学センターでも使われるほど良くできていてオススメ!詳しい内容は下記URLから。

中国語(華語)学習テキスト【當代中文課程】をオススメする理由

本屋さんにはたくさんのテキストがあるけど、正直どれを買おうか迷っちゃう。 masa どのテキストがいいのか選ぶのってとても大変ですよね。あと、日本の本屋さんって「華語」のテキストあんま… [more]

今回は、テキスト當代中文課本の「コース2 レッスン12の文法」に記載されている文法「讓」を扱います。テキスト上では“讓“は「to let someone do something」と説明されていました。日本語に翻訳すると「誰かに何かをさせる」という意味です。letは英語で「使役動詞」として勉強しますよね。この使役動詞ですが、英語と中国語で文法上の違いがあるのかどうか気になったので調べてみました。

もくじ

使役動詞を調べてみる

”讓“は使役動詞として機能します。そこで、まずは使役動詞について調べてみます。

使役動詞とは

使役動詞は「人に物事をさせる」または「人に物事をするように影響を与える」という意味で使われます。[主語]の働きかけが[人]に影響したこと、[主語]が原因で[人]が何らかの物事をさせられたことを明示する表現方法です。

文法上の構造

文法上の構造は以下の通りです。

[主語]+讓(使役動詞)+[人]+述語
※このパターンの述語部分は動詞or形容詞

使役動詞の種類

中国語の中で、一般的な使役動詞は「讓」「叫」「請」「使」である。

”使“と“讓“が使役動詞として使われるとき、基本的には英語の”make“(〜させる)と同じ意味です。しかし、”使“はフォーマルで文章の中で使われます。一方で、”讓“は話し言葉の中で使われます。

小まとめ

文法構造

使役動詞の文法構造は「[主語]+讓(使役動詞)+[人]+述語」

意味

使役動詞は「[主語]は[人]に〜させる」という意味

ポイント

使役動詞の種類 —> 讓、叫、請、使

使 —> 文語的、フォーマル

—> 口語的

では、英語の使役動詞と何が違うのか調べてみましょう。まずは英語の使役動詞についてです。

英語の使役動詞は?

英語では「get Billy to eat a live worm(ビリーに生きたミミズを食べさせる)」のような「人に〜させる」という内容を表現するとき、「let」「have」「get」のような動詞を用いる。

文法上の構造

文法上の構造は以下の通りです。

[主語]+make(使役動詞)+[人]+述語

上の例で言えば、

[主語省略]+get+[Billy]+to eat a live worm

“mike”と”let”の違い

“make“は強制を意味する種類の語、“let“は許可を意味する種類の語です。“mike“と“let“のどちらを使うかは、[主語]の働きかけが[人]の行動の自発性に与える影響の度合いや方法によって決まります。強制は[主語]の働きかけが強くて[人]の自発性の無い状態、許可は[主語]の働きかけはある程度あり且つ[人]の自発性もある状態です。

permitは?

“let”も”permit”も日本語では「許可」と翻訳されますが、”permit”は社会的地位の上位者が下位者に対して行なう行為です。例えば、上司が部下に対して、親が子供に対して行ないます。”let“はやや立場が平等の者に求める許可です。

小まとめ

使役動詞には強制を意味する種類の語許可を意味する種類の語がある。

  • make(強制) —> [主語]の働きかけが強くて[人]の自発性の無い状態
  • let, permit(許可) —> [主語]の働きかけはある程度あり且つ[人]の自発性もある状態

[人]への強制力および[人]の自発性の無さは「強制 > 許可」の順番に強い。

中国語と英語の使役動詞の違い

”讓“を起点に、中国語と英語の使役動詞の違いを調べてみましょう。

讓はどのような意味?

中国語において”讓“はほぼ一般的な使役動詞として使われ、特別な意味はありません。英語で”make”または”let”と翻訳されます。上記項目(英語の使役動詞の項目)で説明した通り、英語では強制を意味する語は”make”で、許可を意味する語は”let”であり、別々の語です。しかし、中国語では1つの語が強制と許可の2つの意味を持っています。このことは英語を話せる人にとって、とても奇妙なことのように思えるかもしれません。同じ語が複数の意味を持っている場合、どうやって意味を見分けるのでしょうか?

使役動詞の意味決定はどうやるの?

中国語では一般的に、文脈によって使役動詞の対象がどれほど自発的なのか明らかにされます([主語]の働きかけの対象である[人]が何かすることを強制されるのか許可されるのかの違い、[人]の自発性の程度は、文脈によって決定される)。この文脈での使役動詞の意味決定は、中国語を学習する人にとって時間を必要とします。多くの例文に触れて慣れましょう。

小まとめ

中国語の使役動詞は、

  • 1つの語(例えば讓)が強制と許可のように複数の意味を持つ
  • 文脈によって使役動詞の意味が決定される

師大のテキストに戻ってみよう

では、師大の語学センターで使用しているテキスト當代中文課程2課本のレッスン12の文法(第十二課文法)の例文に戻ってみましょう。

讓の例文は

  1. 租房子的事,請你我想一想。(let:許可)
    (英語訳:About the renting o the house, please let me think about it.)
    (日本語訳:家を借りることについて、私にそれについて考えさえてください。)
  2. 天氣這麼冷,冷得我感冒了。(make, cause:〜させる、原因)
    (英語訳:The weather is so cold that it caused me to have a cold.)
    (日本語訳:気温がとても寒かった、そのことが私に風邪を引かせた。)
  3. 小孩一個人去旅行,不太安全吧!(permit:許可)
    (英語訳:Allowing children to travel alone is a bit unsafe, I should think.)
    (日本語訳:子供に一人で旅行させることは安全ではない。)
  4. 老闆我做這份工作。(permit:許可)
    (英語訳:The boss is letting me do this work.)
    (日本語訳:上司は私にこの仕事をさせた(上司は仕事していいと許可を出した)。)
  5. 老師說我說中文說得很流利,我很高興。(make:〜させる、影響を与える)
    (英語訳:The teacher said that I speak Chinese fluently making me feel happy.)
    (日本語訳:先生が私が流暢に中国語を話すと言ったことは私に嬉しさを感じさせた。)
  6. 吃太辣妹妹的喉嚨不舒服。(make:〜させる、影響を与える)
    (英語訳:Your younger sister will get a sore throat if she eats too much spicy food.)
    (日本語訳:辛すぎるものを食べたことはあなたの妹の喉に不快を感じさせた。)
  7. 這次旅行我更了解台東這個地方了。(make:〜させる、影響を与える)
    (英語訳:The trip allowed me to better understand Taitung.)
    (日本語訳:この旅行は私にこの場所台東を理解させた。)

小まとめ

例文の“讓“は、“let, make, cause, permit“という4つの語で英語に翻訳されていました。1つの語“讓“に複数の意味があり、文脈で決定されていることがわかります。

中国語と日本語の使役動詞の違い

英語の使役動詞の日本語訳が「〜させる」とほぼ1つで対応できるところからわかるように、日本語の使役動詞も中国語と同様に文脈で意味をわけているところがあります。なので、日本語を理解している人にとっては、文中で使われいる”讓“か強制の意味なのか許可の意味なのか意識しなくても、文章の内容を理解できると思います。中国語と日本語の共通性を感じる部分です。

小まとめ

じつは、日本語も文脈で使役動詞の意味をわけている。

まとめ

使役動詞を調べてみることによって、中国語と日本語の共通点を感じることになりました。

使役動詞

  • 構造 —> [主語]+讓(使役動詞)+[人]+述語
  • 意味 —> [主語]の働きかけによって[人]に〜させる —> [主語]は[人]に〜させる
  • 文脈によって使役動詞の意味が決定される