【華語文法】「把」構文

もくじ

「把」構文

介詞「把bǎ」によって目的語を動詞の前に出し、その目的語に対して処置を加えることを強調する構造で、「目的語に対して処置を加える、その処置によって何らかの結果を生じさせる」ことを意味する文。命令の意味で使われることも多い。

「把」構文の構造

介詞「把bǎ」によって目的語が動詞の前に出される構造で、語順は「[主語]+把+[目的語]+[述語動詞]」となる。例:我把他批評了。

  • 助動詞や「不/沒」などは通常「把」の前に置く。例:你應該把這本書借給他。/ 他沒把失敗當回事。
  • 受身文を形成する介詞「被、讓、叫」と併用される。
    • 「[主語]+被+[名詞]+把+[目的語]+[述語動詞]」のように述語動詞の目的語が「把」によって動詞の前に導かれて、「[主語]は[名詞]に[目的語]を[述語動詞]される」を意味する。「把」の目的語は「被」の前の主語の一部か主語と同一のものを指し、後者の場合は「把+[目的語]」を省略することもある。例:那個蝴蝶被小孩兒把翅膀弄碎了。/ 那個調皮鬼被我(把他)趕走了。
    • 「[主語]+讓+[名詞]+把+[目的語](+給)+[動詞]」の形で「[主語]は[名詞]に[目的語]を[動詞]される」を意味する。「給」は無くても意味は変わらない。例:他讓樹枝把衣服掛破了。
    • 「[主語]+叫+[名詞]+把+[目的語]+[述語動詞]」の形で「[主語]は[名詞]に[目的語]を[動詞]される」を意味する。例:鋼筆叫他把筆尖摔壞了。

「把」構文の意味

最も基本的でよく使われる「把」構文の意味は「目的語に対して処置を加える、その処置によって何らかの結果を生じさせる」ことであるが、他にも複数の意味がある。

  • 目的語に対して処置を加えることを強調する、またはその処置によって何らかの結果を生じさせることを示す。例:我把他批評了。/ 我把他的鼻子打出了血。/ 他把車開進大門口來了。
  • 目的語が表す場所での行動を表す。例:我把圖書館都找遍了。
  • 述語が「氣、急、忙、累、痛、樂、嚇、凍」などの動詞や形容詞とその結果を示す補語から構成されている場合、「結果として⋯⋯するようになる」という意味を示す。例:走了一天路,可把我累壞了。/ 把我凍得直哆嗦。
  • 望ましくない事態の発生を表す。述語に動詞「病、跑、死、飛」などを用いて、「把」の直後の名詞が述語の対象というよりも述語の主体である場合、話し手にとって思いどおりにならない事柄を述べる。例:偏偏把老李病了。
  • 「把」何かに対してまたは何かを相手にして「⋯⋯する」を意味する。例:我把他沒辦法。
  • 「我把你這個⋯⋯」の形で後ろに述語が現われない場合、相手に対する叱責やあきらめの気持ちを示す。例:我把你這個小淘氣鬼!

「把」構文の用法上の注意点

「把」構文は、処理や動作の結果としてどうなるのか(どうなったのか)を示す構文なので、「把」構文の述語動詞部分は動詞単独では終わらず、その後ろには結果を示す部分が続く。結果を示す部分には補語、動量詞、動詞の重複などが用いられる。また、「把」に導かれる目的語は、話し手と聞き手の双方にとって「特定のもの、既知のもの」でなければならない。

  • 「把」構文としての正否
    • O:他把車開進大門口來了。(「車を運転した」結果として「表門を入って来た」ことを示す)
    • X:*他把車開。(動詞単独なので、間違った使用例)
  • 「把」に導かれる目的語の正否
    • O:我把車票丟了。(どの「車票」であるのか文脈から特定できる)
    • O:我把這張車票丟了。(指示代詞を用いると、どの「車票」であるのか特定される)
    • X:*我把一張車票丟了。(不特定な「1つ」なので、間違った使用例)
  • 述語動詞部分のパターン
    1. 結果補語が用いられる。例:我把新買的手機弄壞了。
    2. 方向補語が用いられる。例:他把桌子上的東西收起來了。
    3. 様態補語が用いられる。例:他把衣服洗得很乾淨。
    4. 動量詞が用いられる。例:請把房間打掃一下。
    5. 目的語が用いられる。例:我把這個消息告訴了李先生。
    6. 動詞の重複が用いられる。例:請把那本書的內容給大家介紹介紹。
    7. アスペクト助詞「了」や「著」が用いられる。例:我把車票丟了。/ 你把這本書拿著!
    8. 「在⋯⋯」「成⋯⋯」「給⋯⋯」が用いられる。例:他把地圖掛在牆上了。/ 請你把這個句子翻譯成英文。/ 請把這本小說還給小玲。