「有」構文
「有yǒu」は、所有文や存在表現、連動文など様々な表現に用いられる。
所有文
主語が目的語を所有していることを表す文。動詞に「有yǒu」を用いて主語が目的語を所有しているかどうか、つまり「[主語] + 有 + [目的語]」の形をとる文。構文としては動詞述語文と同じ形になる。例:我有自行車。
- 「有」は動詞であるため、「還、也」などの副詞はその前に置く。例:
- 否定形を作る場合は、「有」の前に「沒méi」をつけて「沒有méiyǒu」とする。例:我沒有自行車。
- 疑問形を作る場合は、一般の動詞述語文の場合と同様に文末に「嗎」を付け、表記する場合は「嗎」の後ろに「?」をつける。もしくは反復疑問文を用いる。疑問形の場合は目的語に量詞などの修飾語はつかない。例:你有自行車嗎?/ 你有沒有自行車?
- 返答する場合は「有(沒有)」を単独で用いることができる。例:Q.你有自行車嗎? A.有(沒有)。
存在表現
「[場所/時間]+有+[存在する人や物]」で「[場所/時間]に[存在する人や物]がいる(ある)」を意味する。時間や場所が目的語を「所有している」ところから転じて、存在の意味になった。目的語には量詞などの修飾語がつく場合が多く、目的語は「不特定の、未知の」ものをいう。例:屋裡沒有人。(場所)/ 那天晚上有月亮,天不太黑。(時間)
- 行為や状態などを表す動詞(句)は「[場所/時間]+有+[存在する人や物]」の後ろに置く。構文としては兼語文と同じ形になる。例:屋裡有人穿衣服。
連動文
「有(沒有)」は連動文を構成することができる。前の動詞句に用いて、後ろの動詞句の修飾を受ける。例:我現在有時間解決這個問題。(所有文)/ 家裡還有一些事要做。(存在表現)/ 唐朝有個詩人叫李賢。(存在表現)
程度表現
性質や数量が一定の程度に達することを表す。
- 「有⋯⋯這麼/那麼 + [形容詞/動詞]」の形で、ある事物と同じくらいの度量や程度であることを示し、「こんなにも[形容詞/動詞]である」を意味する。例:我哥哥個子有房門那麼高。
- 「有+[数量] (+形容詞)」の形で、その数量にまで達していることを表し、「[数量](の[形容詞])がある)」を意味する。例:這棵樹有兩公尺(高)。
発生、出現表現
ある事態や状態の発生、出現を表す。「有了」や「一有」の形で、いくつかの二音節動詞または抽象名詞をよく伴う。例:在同學們的幫助下,他有了許多進步。/ 一有問題就去解決。
事物や時を漠然と表す
「人、一年、一天、一次」などを伴って、特定の人や過去の特定の時を具体的に誰、何時と明確にしないで漠然と表す。例:
- 「有人+[動詞]」の形で「ある人が[動詞]する(した)」を意味する。例:有人不同意我的意見。
- 「有一年(有一天、有一次) + [動詞や節]」の形で「ある年(日、時)に[動詞や節]する(した)」を意味する。例:有一年夏天這一帶下了一場大雨。/ 我有一次在街上碰見了他。
- 「有人(有地方、有時候) + [動詞、形容詞、節]」の形で、そうした人(場所、時)が部分的または臨時的に存在することを示し、「ある人(場所、時)は[動詞、形容詞、節]する」を意味する。例:有人說好,有人說不好。/ 中國的冬天有地方下雪,有地方不下。/ 我喜歡足球,有時候也打棒球。
- 「有」が「的」を伴う「有的人(地方、時候)」の形も同じ意味で用いる。例:我有的時候喜歡足球,有的時候也打棒球。