【華語文法】助詞

もくじ

助詞

助詞は、単独では文中に現れることができず、必ず他の語(名詞、動詞、形容詞など)に付属して現れて、助詞を従えている名詞や動詞に意味を付け加えたり、語と語の文法的な関係を表示する。中国語では「虚辞」とも呼ばれる。

構造助詞「的de」

  1. 名詞/代詞の前に置かれて、名詞/代詞を修飾する修飾語と名詞を繋ぎ、所属や修飾関係を表す。例:我的書 / 鐵的紀律
  2. 「是⋯⋯的」構文で使われる。詳しくは「文型」の『「是⋯⋯的」構文』を参照してください。例:我是昨天買的。
  3. 推測や可能性を表す「要、會、能」などの助動詞と組み合わされる。さらに、これは主観的な推断を表す副詞「一定」を加えて「一定+[助動詞]+[動詞]+的」の形でよく使われる。例:人類智能永遠不會閑置的。/ 大家一定不會選他的。
  4. 「⋯⋯的」が単独で述語となる。
    • [名詞/代詞]+的:
      • 所属関係や原料を表す。這本書,誰的?/ 這雙靴子牛皮的吧?
    • [形容詞]+的:
      • 形容詞が単音節の場合:例:這碗牛肉麵辣的。/ 他的孩子矮矮的。
      • 形容詞が二音節形容詞の場合:前に「怪、挺、夠」などの副詞や、一部の助動詞を置く必要がある。例:這熊貓怪可愛的。/ 她挺能吃苦的。
    • [動詞/主述句]+的:
      • 例:咖啡我要的。
    • 4字句(四字格)+的:
      • 例:他的房間亂七八糟的。

構造助詞「地dì」

連用修飾語を作る:動詞(形容詞)の前に置かれて、動詞(形容詞)を修飾する修飾語と動詞を繋ぐ。

  1. 単音節形容詞の後ろに用いる:
    • 「単音節形容詞+動詞」の形では「地」を用いない。例:快走吧!
    • 「很+[単音節形容詞]+地+[動詞]」の形で用いる。例:他很快地解決了問題。
    • 「[単音節形容詞の重複] (+地) +[動詞]」の形で用いる。例:你們要好好(地)工作。
  2. 複音節形容詞の後ろに用いる:
    • 「[複音節形容詞] (+地) +[動詞]」の形で用いる。例:她從來沒有直接(地)找他。
    • 「[複音節形容詞の重複] (+地) +[動詞]」の形で用いる。例:你們痛痛快快(地)玩一天吧!
  3. 「[動詞(句)] + 地 + [動詞/形容詞]」の形で用いる。例:雨不停地下。
  4. 「[名詞] + 地 + [動詞]」の形で用いる。例:這個任務部分地完成了。/ 這個問題,我們要歷史考察。
  5. 「副詞 + 動詞/形容詞」の形では一般に「地」を用いない。例:他已經回去了。
  6. 「[疑声語] + 地 + [動詞]」の形で用いる。例:寒風呼呼地整整刮了一天。
  7. 「[4字句(四字格)などの語句] (+地) +[動詞/形容詞]」の形で用いる。例:或多或少有了一些進步。/ 認識要一步一步地深入。

構造助詞「得de」

  1. 動詞または形容詞の後ろに用いて可能を示す。
    • 能力、条件、許容の点から「⋯⋯できる」を意味する。この可能表現は現代語ではあまり用いず、肯定には「能、可以、得了」、否定には「不得」を用いる。例:這種蘑菇吃得,那種有毒吃不得。
    • 道理上許容されるので「⋯⋯できる」を意味する。この可能表現は、一部の疑問文を除いて否定形式でのみ使われて「不得」を用いる。例:這個人你可小看不得。
  2. 動詞または形容詞の前に置かれて、様態補語の構造助詞として使われる。「[動詞/形容詞]+得+[結果補語/方向補語]」の形で、結果補語/方向補語が示す事態が客観的に実現し得ることを示して「⋯⋯できる」を意味する。例:我眼睛還看得清楚,耳朵也聽得見。
    • この可能表現の否定には「得」の代わりに「不」を用いる。例:聲音太小,聽不見。
    • 「能、可以」を「動詞/形容詞」の前に用いて可能を強く主観的に主張することがあるが、その場合疑問文として使うと、多く反語文や強い疑いを含んだ問いになる。例:他的話,你聽得懂嗎?

語気助詞「了le」

  • 文末に置かれて、状態の変化と新たな事態の発生を表す。例:他已經來了。/ 來了! 來了!
  • 将来の状況や事態に変化が起こることを表す。近接未来を表す助動詞「要、快要、就要要」などとよく組み合わせられる。例:他快去台北了。
  • 催促、制止、強制、勧告などを表す。例:別再別說這個了!/ 走了! 走了!
  • 性質や状態の程度を強調する。「太、可」などの副詞と組み合わせられる。例:路太遠了。
  • 話し言葉で事柄を列挙するときに用いる。例:雪花膏了,口紅了,香波了什麼的,她買了一大堆。
  • 文終止のための「了」:完了や実現を表すアスペクト助詞「了」が修飾詞のない目的語を伴うと、文がまだ続くニュアンスを持つため文を終了させることができない。文末に語気助詞「了」を置くことで、文を言い切りにして終わらせる。例:他買了字典了。

語気助詞「啊a」

  1. 文末で使われる:
    • 感嘆文で用いる:感嘆を表す副詞「多、多麼、真」などと一緒に用いられる。例:他們的生活多麼幸福啊!/ 真厲害啊。
    • 疑問文で用いる:様々な疑問文で用い、語気を和らげる。
      • 諾否疑問文例:你好啊?相手の意を確かめる。
      • 選択疑問文:要買蘋果還是買芒果啊?
      • 反復疑問文:你去不去啊?
      • 疑問詞疑問文:他是誰啊?
      • 反語文:客人來了,怎麼不倒茶?
    • 疑問の語気で「⋯⋯なんですか?」を意味する。例:你不去啊?
    • 陳述文に添えて用いる:
      • 自明の理だという気持ちを示す。例:我懂啊!
      • 相手にそれと気づかせる。例:本來你也知道啊,也用不著再說啊。
      • 警告を示す。例:你不出去可不行啊!
    • 命令文で用いる:文末に用いて語気を和らげる。
      • 催促のニュアンスを含める。例:吃啊! 別客氣!/ 快走啊。
      • 注意喚起したり、念を押す。例:選大了的啊。/ 請各位往裡邊坐,別溜邊啊。
    • 肯定のニュアンスを含める。例:你說得對啊。
    • 誇張を表す。「這(個)/那個+[形容詞/動詞]+啊」の形で「この/その⋯⋯ときたら」を意味する。例:大家那個高興啊!弁解のニュアンスを含める。例:我找他是因為有事啊。
  2. 複文の前節で使われる:
    • 呼称の後ろに置いて、「OOさんさぁ」という親しみのニュアンスを含める。例:老李啊! 別那麼說!
    • 前の文に置かれて後続の言葉に相手の注意を向ける。例:這個瓜啊,甜得很呢。
    • 話し手のためらいを表す。例:我說啊,他說的話啊,都是靠不住的。
    • 列挙のために用いる。例:胃啊,腸啊,肝臟啊,都沒有毛病。
    • 動作の過程が長いことを表す。「[動詞]+啊+[動詞]+啊/的」([動詞]は同じ単音節動詞)の形で「引き続き⋯⋯する」を意味する。ある目的の達成を目指し懸命に努力する様子を描写する。例:他追啊,追啊,追了半天也沒追上。/ 走啊走的,天色可就黑下來啦。

「啊」の発音変化

「啊」は直前で発音される音の影響を受けて、発音される音が「a」から変化する。変化後は音だけでなく字も別の字で表記される(そのまま表記されることも多々ある)。

直前に発音される音変化後の音と字
a, e, i, o, üya呀
u, ao, ouwa哇
nna哪

語気助詞「呢ne」

  1. 疑問文の文末に用いる:いろいろ考えたがなおよくわからず、いったいどうなのかといぶかる気持ちで答えを催促する。
    • 選択疑問文:各事項の後ろに用いる。例:是這本書好呢,還是那本書好呢?
    • 反復疑問文:你到底去不去呢?
    • 疑問詞疑問文:「什麼、誰、哪、怎麼、為什麼」などの疑問代詞と組み合わされる。例:為什麼不來呢?
    • 省略型疑問文:名詞句の直後に置いて、前後の文脈や状況等から推測可能な質問内容を簡略化し、「あなたは?」のように相手へ手短かに聞き返す。例:我今天很忙,你呢?
    • 反語文:「誰/哪裡/怎麼/何必⋯⋯呢?」の形で用いる。例:這碼事誰不知道呢?
  2. 平叙文の文末に用いる:
    • 事実を相手に確認させたり、事実を指し示して相手を説得しようとする。やや誇張の語気を帯びる。例:
      1. 「還/才/可 + [形容詞] + 呢」の形で、目の前の事実を指し示して「⋯⋯なんだよ」を意味する。:例:忙什麼,時間還早呢!/ 今天可冷呢!
      2. 「還 + [動詞] + 呢」の形で「それどころかまだ⋯⋯するよ」を意味する。例:我已經買了兩本書了,還要買呢。
      3. 「還不/才不 +[動詞] +呢」の形で「それでも⋯⋯しないんだよ」「どうあっても⋯⋯しないよ」を意味する。例:他還不相信。/ 我才不買呢。
      4. 「還沒(有) + [動詞] + 呢」の形で「(今後起こり得るだろうが)今のところまだ⋯⋯していない」を意味する。例他們還沒走呢。
      5. 「有 + [数詞+量詞] + 呢」の形で「十分⋯⋯の程度に達しているよ」を意味する。例有十個人呢,坐不下。
    • 動作や状態が一定の時にちょうど継続していることを強調する。進行表現を表す「在、正在」や持続を表す「著」などと組み合わせて「正/在/正在 + [動詞] (+著) (+目的語) + 呢」の形で「⋯⋯しているよ」を意味する。例:我們一起討論著學習經驗呢。/ 外面下著雨呢,我們別出去了。/ 安靜點,他睡覺呢。
    • 動作が終わってその結果生まれた状態が存続していることを強調する。「[動詞] + 著 (+目的語) + 呢」の形で「⋯⋯しているよ」を意味する。例:門開著呢。
    • 文中にポーズを置くときに用いる(主語の後ろ、仮定条件句の後ろなど)
      1. 多く2つのことを並べて取り上げる。「⋯⋯はと言えば、⋯⋯なら」を意味する。例:這種事情看起來容易辦,其實呢,並不那麼簡單。/ 現在呢,他比以前老多了。
      2. 仮定文の仮定節の末尾に用いて、仮定した事実が現実となる場合のことを考える。「⋯⋯したらだな」を意味する。例:你有呢,就借給我,沒有呢,我到別處去借。

語気助詞「吧ba」

  1. 文末に用いる:
    • 命令文の文末につけて命令、請求、催促、提案を表す。「⋯⋯しなさいよ」「どうか⋯⋯してください」「⋯⋯したらどうですか」「⋯⋯しましょう」を意味する。例:今天累了,早點睡吧!/ 回去吧,別在這裡待著。
    • 文末につけて賛成または承知を表す:「好、行、可以」などの後ろに添えて「よかろう」「いいでしょう」と応答する。例:好吧,就這麼辦。
    • 文末につけて推量や推察を表す:
      • ある事柄に一応の判断を持っているが自信がなくてはっきりと言い出せず「たぶん⋯⋯でしょう」と推測して言う。「嗎」に比べて推測の気分が強く、同意を求める語気を帯びる。「大概、大約、也許、恐怕、或者」などの推量や推測を表す副詞が文中にある場合は必ず「吧」を用いる。例:大約十天以前吧,他有給我一封信。
      • 自信がなくてはっきり言い出せず「⋯⋯でしょうか?」と相手がはっきりと断定することを希望する。前項に比べて疑問の気持ちが強い。例:這房子是新蓋的吧?
  2. 文中に用いる:
    • 文中に用いてポーズを作ることにより、相反する二つの事柄を対比させて、それらがどちらも困難であることを表す。ためらいやジレンマを表す文でのみ使用される。例:我不去吧,對不起人家;我去吧,路太遠。
    • 文中に用いて、例を挙げて相手に注目させる。例:譬如喝茶吧,他最懂得喝茶。
    • 譲歩を表す複文に用いてポーズを作ることにより、譲歩の内容に注意を向けさせる。例:即使你是長輩吧,也不能那麼說話。
    • 容認の気持ちを表す。「[動詞]+就+[動詞]+吧」([動詞]は同じ動詞)の形で用いる。例:丟了就丟了吧,我再買新的給你。
    • 動詞の後に置いて、その意味を軽くする。例:湊吧湊吧就有了一百多塊錢了。

感嘆を表す語気助詞

感嘆を表す語気助詞は、文末に置いて感嘆文を作り、強い感情を表すために使われる。

  • 啊a(呀ya、哇wa、哪nǎ):感嘆を表す。「多(多麼)」とよく呼応して用いられる。例:他們的生活多麼幸福啊!/ 真厲害啊。/ 大家快來呀!/ 這是什麼書哇?/ 好得很哪。
  • 了le、咧liě:状況の変化や事態の発生を表す。一部の副詞と呼応して変化や発生を強調する。例:他已經來了。/ 他快去台北了。/ 路太遠了。/ 來了! 來了!/ 好咧。
  • 啦la:緊張と興奮の意味を含んだ感嘆または阻止を表す。断定的な語気。例:啊! 太陽出來啦!/ 不要再亂花錢!
  • 嘍lóu:相手の注意を喚起する。例:咧,收住口嘍,往車去嘍!/ 汽車鳴著笛來嘍。
  • 嘞lei:相手の注意を喚起する。例:雨停了,走嘞!
  • 唄bei:わかりきっているという気持ちや、しぶしぶ受け入れる気持ちを表す。例:天不好就坐車唄!/ 拿不了就少拿點唄! 反正還要走一趟。

疑問文で使用される語気助詞

話者の感情を表現する特別な助詞のことを指す。

  • 「嗎ma」を文末に置く、最も基本的な疑問文。「諾否疑問文、当否疑問文」などと呼ばれる。例:那是你的書嗎?
  • 「呢ne」を名詞(句)の直後に置いて、前後の文脈や状況等から推測可能な質問内容を簡略化し、「あなたは?」のように相手へ手短かに聞き返す。「省略型疑問文」と呼ばれる。例:我下課以後去咖啡店喝咖啡,你呢?

無条件を表す助詞

2つ以上連用して、いかなる条件や状況下でも変わりがないことを表す。「⋯⋯といい⋯⋯といい」「⋯⋯にしろ⋯⋯にしろ」「⋯⋯であれ⋯⋯であれ」「⋯⋯にせよ⋯⋯にせよ」「⋯⋯でもよし⋯⋯でもよし」を意味する。

  • 也好yěhǎo:(話し言葉)例:明天去圖書館也好,去大使館也好,都沒問題。
  • 也罷yěbà:(書き言葉)例:明天也罷,後天也罷,總之三天之內你得交。
「也好」「也罷」の使い方
  • 「(無論/不論/不管)⋯⋯也罷⋯⋯也罷,都(也/總/反正)⋯⋯」の形で用いられる。例:無論同學也罷,老師也罷,什麼人也說不服他。
  • 「也罷」は「也好」よりも諦めや、いやいやながら承知する気持ちが強い。
  • しかしながら、諦めや、いやいやながら承知する気持ちがなくても使える。例:說也罷,不說也罷,反正你的想法大家都知道。/ 不管老人家也罷,小孩也罷,都喜歡聽相聲。