【華語文法】場所詞

もくじ

場所詞

場所詞とは、場所や容器など空間的な要素を持つ名詞のこと。場所詞は方位詞と重複する部分がある。

場所詞の定義

朱德𤋮(1982)は、統語的観点から、場所詞を次のように定義している。

  • 「在」「到」「住」の目的語となりうる。
  • 「哪裡」で尋ねることができる。
  • 「這裡」「那裡」で代替できる。

場所詞の分類

朱德𤋮(1982)の場所詞の定義を踏まえて、場所詞は大きく以下の4つに分類される。

  1. 地名:地図に掲載される地名はもちろん、観光地などの名称も場所詞として機能する。また、小さな町名や道路名も話者同士で認識があるなら場所詞として機能する。例:台灣 / 台北 / 和平東路
  2. 建造物:学校、病院、駅、デパートなどの公共機関の名詞はそのまま場所詞として機能する。また、個人的な建物名も話者同士で認識があるなら場所詞として機能する。例:國立臺灣師範大學 / 台北車站 / 101大樓
  3. 合成方位詞:任意の場所として方位詞の合成方位詞は、そのまま場所詞として機能する。例:上面 / 下面 / 右邊 / 左邊 / 旁邊。
  4. 名詞+方位詞/合成方位詞:一般的に普通名詞は場所としての機能がないが、名詞の後ろに方位詞/合成方位詞をつけて場所詞として扱う。この名詞を場所として扱えるようにすることを「名詞の場所化」または「場所化」と呼ぶ。よく使われる方位詞として「上」「面」「裡」がある。例:冰箱裡 / 桌子上面 / 黑板上

また、「當地dāngdì、空中kōngzhōng、家鄉jiāxiāng、身上shēnshàng、門口ménkǒu」など場所や空間を直接的に表す名詞も場所詞に含まれる。

人称代詞の場所化

「這裡」「那裡」を人称代名詞(名詞も)の直後に用いると場所化されて「⋯⋯のところ」を意味する。ものが話し手側にあるときは「這裡」、聞き手側にあるときは「那裡」を用いる。例:陽台這裡陽光充足。/ 我剛從哥哥那裡回來。