動助詞って難しいんだよなぁ
そんなことないよ。分類の成り立ちを知ればすぐに理解できるよ。
え!本当に!教えて
いいよ〜。
というわけで、今回は動助詞についてお伝えします
- 動助詞について理解できる
動助詞(Verb particle)とは
動助詞の概要
動助詞は動補構造をとる補語の仲間
伝統的な中国語言語学界によって、動詞の後ろに置かれる文の構成要素は、まず始めに補語と目的語に分けられました。その後、補語が表す意味に基づいて、動補構造[註1]をとる補語は「結果補語、方向補語、可能補語、様態補語」の4種類に分類されました[註2]。鄧守信(1977)[註3]は、その4種類に分けられた動補構造うちの、結果補語と方向補語の一部には、一般的な補語のカテゴリーに分類されるべきでないものがあると考え、それらを「動助詞」と呼びました。動助詞に分類されるべきと考えられているものは、方向補語「上、下、起、開、出」と、結果補語「掉、走、住、到」の9つです。とはいえ、動助詞はあくまでも「補語」のカテゴリーに属します。
註1:動補構造は、述補構造とも呼ばれ、2つの構成要素「動詞(述語)と補語」が前後で組み合わされた構造のことを指します。動詞の後ろに置かれる補語は、動詞の動作行為の状況、結果、場所、数量、時間などを補足説明するために用いられます。動補構造については下記の記事を参照してください。
註2:程度補語と数量補語もありますが、程度補語は様態補語の一部または特殊な様態補語として分類されたり、数量補語は量詞として扱われて動補構造には分類されないことがあります。
註3:鄧守信氏は、カリフォルニア大学バークレー校言語学博士。台北、中国、米国の様々な大学で教授や所長を歴任しました。台湾師範大学国語教育センター(國語教學中心)の主任および中国語学習テキスト「當代中文課程」の編集長も務めます。
動助詞の特徴と種類
動助詞の特徴
現代中国語の動助詞の特徴は以下の通りです。
- 構造に関して:
- 構造上付け加えられる要素である
- 必ず前面の動詞と緊密に結合する
- 「単一動詞」と類似の構文的特徴を備えている
- 意味に関して:
- 動詞と重複する属性があるため、省略しても意味が変わらない
- 副次的な語義を描写する
- 「変位(位置の移動)」と「終点あるいは結果」の概念を持っている
動助詞の種類
現代中国語の動詞の後ろに置かれる要素のうち、上記のような特徴を持つものは前章でも示した「上、下、起、掉、開、住、走、到、出」の9つであり、鄧守信(1977)が「上、下、起、開、走、到、掉、住」の8つを提唱し、陳怡靜(2004)が「出」を提唱しました。これら9つの動助詞ですが、一般的には「上、下、起、開、出」は方向補語に、「掉、走、住、到」は結果補語に分類されています。
當代中文課程1〜4課本で扱われている動助詞の記事は以下です。
・當代中文課程2,第九課(レッスン9)『動補構造(結果補語)「到dào」を伴って「⋯⋯に成功すること」を表す』
・當代中文課程2,第十一課(レッスン11)『動助詞「上shàng」|接触していること』
・當代中文課程2,第十二課(レッスン12)「動助詞「起qǐ」|触れること、及ぶこと」
・當代中文課程2,第十三課(レッスン13)「動助詞「走zǒu」|離れて」
・當代中文課程2,第十四課(レッスン14)「說到shuōdào / 談到tándào⋯⋯|⋯⋯と言えば」
・當代中文課程3,第五課(レッスン5)『動詞句「出chū」|出てくる』
・當代中文課程3,第五課(レッスン5)『動助詞「掉diào」|⋯⋯から離れる』
・當代中文課程4,第三課(レッスン3)『動助詞「慣guàn」|⋯⋯することに慣れている』