私は41歳の時、台湾中心部の国立台湾師範大学語学センターに1年間在籍してゼロから中国語の勉強を開始しました。暗記力低下で想像以上に大変でしたが、毎日勉強して、、、中国語で会話できるように!もちろん現在も勉強継続中です。
なぜ40代から勉強を始められたのか。それは「中国語で会話したい!」という高いモチベーションがあったから。気持ちさえあれば、意外と頑張れるものです。
「勉強してみたいけど遅いんじゃないか」と考えている方、、、遅くないですよ!
さあ、今日から始めてみましょう!!!
さて、私が在籍した師範大学語学センターは、独自に作成・出版した「當代中文課程(現代中国語コース)」を使用しています。
このテキスト、他のたくさんの語学センターでも使われるほど良くできていてオススメ!詳しい内容は下記URLから。
とても良さそなテキストですね!
オススメのテキストなのですが、難点が1つだけ。
中国語と英語で書かれていて日本語がないんです。。。
なので、日本人に理解しやすいよう翻訳していきます!
わぁ!
さらに、語学センターの先生から教わったテキストには書かれていない文法上の注意点・使用する状況なども追加します!
よろしくお願いします!
今回は當代中文課程2課本の第十二課(レッスン12)を扱います。
讓ràng|誰かに何かをさせる
機能
動詞「讓」は、いくつかの異なるが関連する意味を持っています。それは文と文脈に依存します。例えば、
- 租房子的事,請你讓我想一想。[上下関係があまりない許可](家賃の事について、あなたは私に少し考えさせてください。)
- 天氣這麼冷,冷得讓我感冒了。[原因、理由](気温がこんなにも寒い、その寒さによって私は風邪をひいた。)
- 讓小孩一個人去旅行,不太安全吧![許可](子供に一人で旅行させることは安全ではない。)
- 老闆讓我做這份工作。[許可](ボスは私にこの仕事をさせた。)
- 老師說我說中文說得很流利,讓我很高興。[原因、理由](先生が私は流暢に中国語を話すと言ったので、私はとても嬉しくなった。)
- 吃太辣讓妹妹的喉嚨不舒服。[原因、理由](辛すぎるものを食べたことで、妹の喉は不快になった。)
- 這次旅行讓我更了解台東這個地方了。[原因、理由](今回の旅行によって私は台東のこの場所を更に理解した。)
構造
- 否定文:
- 我跟小王借錢的事,我不讓他告訴別人。(私が小王からお金を借りていること、私は彼に他人へ言わせない。)
- 颱風來了,媽媽不讓我們出去踢足球。(台風が来たので、母は私たちがサッカーをしに行かせない。)
- 高美玲不讓李東健在泡菜李放太多辣椒。(高美玲は李東健がキムチに多すぎる唐辛子を入れさせない。)
- 疑問文:A-not-Aか「是不是」かいずれかが使われる。
- 老闆讓不讓你把公司的車開回家去?(ボスはあなたが会社の車を運転して家に帰宅させる?)
- 妳媽媽讓不讓妳跟我去潛水?(あなたの母はあなたと私にダイビングへ行かせる?)
- 你女朋友是不是讓你踢完足球再去找她?(あなたの彼女はあなたに、サッカーを終えた後再び彼女へ会いに行かせますよね?)
補足・まとめ
[主語]:名詞句(NP)か節、[述語]:動詞か形容詞
文法構造
- 肯定文:
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語] + 讓 + [人] + [述語]
- 因果関係を表す場合:[主語] + 讓 + [人・物] + [述語]
- 否定文:
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語] + 不讓 + [人] + [述語]
- 因果関係を表す場合:[主語] + 不讓 + [人・物] + [述語]
- 疑問文:
- 強制・命令・許可を表す場合:
- [主語] + A-not-A + 讓 + [人] + [述語]?
- [主語] + 是不是 + 讓 + [人] + [述語]?
- 強制・命令・許可を表す場合:
意味
- 肯定文:
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させる
([主語]:権力者・権威者、[人]が[述語]する:強制・命令・許可の内容) - 因果関係を表す場合:[主語]によって[人・物]が[述語]する
([主語]:原因、[人・物]が[述語]する:結果)
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させる
- 否定文:
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させない
([主語]:権力者・権威者、[人]が[述語]させない:強制・命令・許可の内容)
因果関係を表す場合:[主語]によって[人・物]が[述語]しない
([主語]:原因、[人・物]が[述語]しない:結果)
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させない
- 疑問文:
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させますか?
([主語]:権力者・権威者、[人]が[述語]させますか?:強制・命令・許可の内容)
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させますか?
ポイント
- 「讓」は使役動詞の1つ
- 「讓」は主に話し言葉で使う
- 「讓」には「強制・命令・許可」と「因果関係」の2つの意味がある。どちらの意味なのかは文脈で判断
使役動詞とは
使役動詞は、「ある行為を他者(人)にさせること」を表現する時に使う動詞です。「他者にさせる」という言い方から分かる通り、権力者・権威者の働きかけによる強制・命令・許可の意味があります。
さらに、使役動詞は原因と結果に使役関係がある場合、つまり「何かしらの原因によって、結果として他者(人)がある行為をする」というような因果関係を表す時にも使えます。
使役動詞の文法構造と意味
前項で説明した通り、使役動詞には大きく分けて2通り「強制・命令・許可」と「因果関係」の意味がありますが、文法構造はどちらの場合でも同じで「[主語]+讓(使役動詞)+[人]+[述語]」の語順です。
この文法構造に留意して日本語訳をお伝えします。
「強制・命令・許可」は「[主語]は、[人]に[述語]させる」という意味になります。この主語の部分には「権力者・権威者」がきて、「讓」を挟みその後ろには、権力者・権威者の働きかけによって「他者(人)がある行為をさせられる」という強制・命令・許可の内容が続きます。
「因果関係」は「[主語]によって、[人]が[述語]する」という意味になります。主語の部分には「原因」がきて、「讓」を挟みその後ろには、その結果として「他者(人)がある行為をする」という結果表現が続きます。
以上の内容を念頭に入れて、「強制・命令・許可」と「因果関係」それぞれの使い方の例を見てみましょう。
- 強制・命令・許可を表す場合:[主語]は[人]に[述語]させる
([主語]:権力者・権威者、[人]が[述語]する:強制・命令・許可の内容)- 例:媽媽不讓孩子看電視。(日本語訳:母は子供にテレビを見させません。)
解説:権威者は「媽媽」で、その働きかけによって「不讓孩子看電視」というように子供が強制されています。
- 例:媽媽不讓孩子看電視。(日本語訳:母は子供にテレビを見させません。)
- 因果関係を表す場合:[主語]によって[人・物]が[述語]する
([主語]:原因、[人・物]が[述語]する:結果)- 例:天氣讓我覺得很舒服。(日本語訳:天気によって私は快適に感じます。)
解説:原因は「天氣」で、それによって「讓我覺得很舒服」という結果が起きています。
- 例:天氣讓我覺得很舒服。(日本語訳:天気によって私は快適に感じます。)
使役動詞の種類
使役動詞にはいろいろな種類があります。今回学んだ「讓」と當代中文課程1で学んだ「叫」は口語的で、普段の会話の中でよく使われます。一方で、まだ学んでいない使役動詞なのですが、「使」や「使得」は文語的・フォーマルで、新聞や講演会などで使われます。このように、様々な用途に合わせて使役動詞は使い分けられます。
※使役動詞の基本について知りたい方は、『【中国語文法】使役動詞「讓,叫,請,使,使得」について』を見てみてください。
「使,使得」については、當代中文課程4課本の第十二課(レッスン12)文法9「使得|因果関係」で説明していますので、気になる方は見てみてください。
使役動詞「讓,叫,請,使,使得」とは別に「良くないこと」の意味を内包した受動態「被」もあります。「被」の使い方は、當代中文課程2課本の第十一課(レッスン11)『「被bèi」を伴った受身文』で説明していますので、気になる方は見てみてください。
快一點kuài yì diǎn|急いで・早く
機能
このパターンは、遅れている者が携わっていることに関して、受け手が急ぐことを促すことにおいて使われます。
- 電影快開始了。我們快一點!(映画はもうすぐ始まる。私たちは急ぎましょう!)
- 哥哥跟弟弟說:「不要上網了,快一點去睡覺!」(兄と弟は言いました「インターネットはしないでください、早く一緒に寝に行きましょう!」)
- 你最近快一點決定,這個房間可能很快就有人租了。(最近あなたは早く決断したので、この部屋はすぐに誰かに賃貸されるかもしれない。)
構造
- 否定文:
「不」だけが「快一點(V)」を否定できます。この否定文のパターンは、条件付き接続詞が省略された「もしあなたが急がなくて(早くなくて)、そして⋯⋯ならば」という条件を示します。- 你不快一點吃完,我們就不能看電影了。(あなたが早く食べ終わらないならば、私たちは映画を観れないだろう。)
- 我們不快一點去吃飯,那家店可能就休息了。(私たちが急いでご飯を食べに行かないならば、そのお店はおそらく休憩するだろう。)
- 你不快一點來嚐嚐這個甜點,就被大家吃光了。(あなたが急いでこのデザートを味見しないならば、みんなに完食されてしまうだろう。)
使い方
「快一點+V」と「V+快一點」は関連しない2つの構文です。最初の「快」は時間を指します(急いで!・早く!)。一方で、二番目の「快」は方法・仕方を指します(速くvs ゆっくり)。
- 快一點跑!(急いで走って!)[急いで・時間を使わないで早く]
- 跑快一點!(速く走って!)[速度が今ゆっくりなので速くして]
- 慢一點去!(遅らせて行って!)[時間を使って遅らせて]
- 走慢一點!(ゆっくり歩いて!)[速度が今速いのでゆっくりにして]
補足・まとめ
V:動詞
文法構造
「快一點」の前後どちらに動詞を置くかで意味が異なります。
- 肯定文:
- 快一點 + V
- c.f. 慢一點 + V
- V + 快一點
- c.f. V + 慢一點
- 快一點 + V
- 否定文:
- 不 + 快一點 + V のみ
- c.f. 不 + 慢一點 + V
- 不 + 快一點 + V のみ
意味
- 肯定文:
- 快一點+V:急ぐ・早く(「この「快」は時間を指す)
- c.f. 慢一點+V:遅く(「この「慢」は時間を指す)
- V+快一點:速く(「この「快」は方法を指す)
- c.f. V+慢一點:ゆっくり(この「慢」は方法を指す)
- 快一點+V:急ぐ・早く(「この「快」は時間を指す)
- 否定文:
- 急いで(早く)Vしないならば、
- c.f. 遅くVしないならば、
- 急いで(早く)Vしないならば、
ポイント
- 「快一點」はその前後どちらに動詞を置くかで意味が異なる。
- 否定は「不+快一點+V」のみで、仮定の意味を含有する。「不+快一點+V」は二文節(2つの節)の第一文節に置かれ、第二文節には「就」と文末に「了」を置くことが多い。
- 「快」の反意語「慢」も一緒に覚える。
「快一點+V」の「快」は時間の長さ(早さ)を指し、「V+快一點」の「快」は方法・速度(速さ)を指します。
また、否定は「不+快一點+V」のみで、時間の長さ(早さ)に対して使います。また、この否定表現は仮定の意味を含みます。「不+快一點+V」は二文節(2つの節)の第一文節に置かれて「急いで(早く)⋯⋯しないならば」という仮定条件を意味し、第二文節には、仮定条件の結果が「直ちに」起こること表現する「就」と、結果への「状況変化」を表す「了」を文末に置くことが多いです。
「快」の反意語である「慢」も同様の文法構造で使えますので、一緒に覚えておくと便利です。
「一點」の基本的な使い方は、當代中文課程1課本の第十五課(レッスン15)「一點yìdiǎn⋯⋯|少し⋯⋯」で説明しています。まずはこちらを参照してください。
「一點」で副詞相当語句を作る(状態動詞を修飾する)方法については、當代中文課程2課本の第二課(レッスン2)『「一點yìdiǎn」を伴って副詞相当語句を形成する』で説明していますので、気になる方は見てみてください。
動助詞の「起qǐ」|触れること、及ぶこと
機能
「起」が動助詞として動作動詞と一緒に結合する時、それは「触れること、及ぶこと」の意味を指します。例えば、「聊起(について会話する),想起(〜について思い出す),談起(〜について話し合う),說起(〜について話す)」。
當代中文課程では、動補構造をとる補語のうち、「結果補語と方向補語」の一部が動助詞に分類されています。一般的には「起」は方向補語に分類されます。
- 我跟朋友一說起台灣小吃,就很有興趣。(私と友だちは台湾の軽食について話すと、すぐに興味を持つ。)
- 陳月美一個人在台灣,她想起越南的家人時,有點難過。(陳月美は一人で台湾に居ます。彼女はベトナムの家族について思い出す時、少し寂しくなる。)
- 李東健跟朋友談起找房子的事,朋友告訴他可以上網找。(李東健とその友だちは家探しのことについて話し合った。友だちは彼にインターネットで探すことができると知らせた。)
構造
- 否定文:
- 老闆在辦公室的時候,別說起薪水的事。(ボスはオフィスに居る時、給料のことについて話させない。)
- 他沒跟我談起結婚的事,所以我不能給他什麼建議。(彼は私と結婚のことについて話し合わなかったので、私は彼に何の提案もしてあげられなかった。)
- 我以為他會告訴我旅行的事,可是今天他來家裡都沒聊起。(私は彼が旅行のことを私に話すだろうと考えていたが、しかし今日彼は家に来て居るあいだ中ずっと話さなかった。)
- 疑問文:
- 中午的時候,妳們是不是聊起昨天看的電影了?(正午、あなたたちは昨日観た映画について話したよね?)
- 李明華問父母:「你們是不是談起我女朋友了?」(李明華はお父さんお母さんに「あなたたちは私の彼女について話したよね?」と質問した。)
- 我忘了我們是怎麼談起吃素的了?(私は、私たちがベジタリアンについてどのように話し合ったか忘れた。)
補足・まとめ
V:動詞、NP:名詞句
文法構造
V + 起 + NP
(Vは、考えや思い・話しに関連した動詞「聊,想,談,說,講,問,提,回憶など」)
意味
先行する動詞(V)の動作が何か(NP)に「触れること、及ぶこと」ことを表す
ポイント
- 「起」は動助詞(方向補語)の1つで、動詞の後ろに置かれて動詞の動作の方向を表す
- 「起」が表現する方向とは、修飾する動詞の動作が何かに「触れること、及ぶこと」
「起」は、考えや思い・話しが何か(例えば話題)に及んで(触れて)「思い出す、話す、質問する、言い出す」などの動作に繋がることを表します。考えや思い・話しが何かに及ぶ(触れる)ことを表現するので、先行する動詞は、考え、思い、話しに関連した動詞「聊,想,談,說,講,問,提,回憶など」のみが「起」と一緒に使えます。
- 例:
- 聊起(〜について会話する)
- 想起(〜について思い出す)
- 談起(〜について話し合う)
- 說起(〜について話す)
- 講起(〜について話す)
- 問起(〜について問う)
- 提起(〜を持ち出す、言い出す)
- 回憶起(〜を思い出す)
動詞と方向補語の間に「得/不」を挿入すると可能補語になります。可能補語の「起」は、當代中文課程2,第九課(レッス9)『動補構造(可能補語)の「起qǐ」|余裕があること』を見てみてください。
動助詞について詳しく知りたい方は、以下の記事を見てみてください。
動補構造(結果補語、方向補語、可能補語、様態補語、程度補語、数量補語)について詳しく知りたい方は、以下の記事を見てみてください。
只要zhǐyào⋯⋯,就jiù~|⋯⋯しさえすれば、〜だろう
機能
「只要」は、第一文節に条件文を導く接続詞で、その後ろには副詞「就」によって導かれる結果の第二文節がきます。条件が満たされさえすれば、その結果が生じます。
- 只要坐捷運,就能到台北很多地方去玩。(地下鉄に乗りさえすれば、台北に着いて多くの場所へ遊びに行くことができるだろう。)
- 你只要到郵局或是便利商店,就找到提款機,可以提錢。(あなたは郵便局またはコンビニに辿り着きさえすれば、ATMを見つけて、お金をおろすことができるだろう。)
- 只要你在說中文的環境裡,你的中文就會進步得快一點。(あなたが中国語を話す環境にいれさえすれば、あなたの中国語はもう少し早く進歩することができるだろう。)
- 你只要去參觀故宮博物院,就可以看見很多中國古代的東西。(あなたは故宮博物院へ参観しに行きさえすれば、多くの古代中国の物を見ることができるだろう。)
- 你只要多喝水,多休息,感冒很快就會好了。(あなたが多くの水を飲み、多くの休養をとりさえすれば、風邪はすぐに良くなるだろう。)
構造
「只要」は接続詞であり、主語の前か後ろに現れます。「就」は副詞であり、VP(動詞句)の前にだけ現れます。
疑問文:「是不是」だけ使うことができます。
- 是不是只要他答應跟妳結婚,妳就願意留在臺灣?(彼があなたとの結婚を受けれさえすれえば、あなたは喜んで台湾に留るよね?)
- 你是不是只要到一個新環境,就很容易感冒?(あなたは新しい環境に行くだけで、直ちに簡単に風邪を引くよね?)
- 是不是只要房東同意房租少一點,你就不搬家了?(大家さんが家賃を少し減らすことに同意してくれさえすれば、あなたは引っ越さないよね?)
補足・まとめ
文法構造
只要⋯⋯,就~
(⋯⋯:条件、~:結果)
意味
⋯⋯でありさえすれば、〜だろう
ポイント
「只要⋯⋯,就~」は「ある条件(⋯⋯の部分)が成立しさえすれば、直ぐにある結果(~の部分)が生じる」というような、仮定の条件と結果を表現します。「只要⋯⋯,就~」の第一文節には最低限の条件(⋯⋯部分)が提示され、第二文節には第一文節で提示された最低条件が成立した際の結果(~の部分)が示されます。第二文節の「就」は、条件(第一文節)と結果(第二文文節)の関係性を強調するために使われていて、「直ちに」の意味です。例えば、「機能」の例文1 を見てみましょう。
只要坐捷運,就能到台北很多地方去玩。(日本語訳:地下鉄に乗りさえすれば、台北に着いて多くの場所へ遊びに行くことができるだろう。)
第一文節の「坐捷運(地下鉄に乗る)」は最低条件であり、第二文節の「到台北(台北に着く)」はその最低条件が成功した際の結果です。最低条件である「地下鉄に乗ること」さえ達成できれば、自動的に台北に着くだろうという仮定表現です。
否定文の場合は「ある条件さえなければ問題ないのに、その条件だとな〜」という意味で使われます。例えば、
只要不下雨,我們就去。(日本語訳:雨が降りさえしなければ、私たちは行くだろう)
この例文の場合、「雨が降るのはダメだなぁ。雨が降る以外の条件だったら行くのにな〜」のニュアンスです。
「只要⋯⋯,就~」は最低条件の提示でしたが、これとは逆の最高条件を提示する「只有⋯⋯,才~」があります。「只有⋯⋯,才~」は、當代中文課程2の第十三課(レッスン13)「只有zhǐyǒu⋯⋯,才cái~|⋯⋯がある時だけ、〜できる」で詳しく説明していますので、気になる方は見てみてくだだい。
越yuè⋯⋯越yuè~|⋯⋯すればするほど~だ
機能
このパターンはAが真である時、Bもまた真であることを表現します。
- 學生租房子,離學校越近越方便。(学生は家を借りるが、学校から近くであればあるほど便利だ。)
- 我聽說辣椒越紅越辣,是不是?(私は唐辛子が赤であればあるほど辛いと聞きましたが、そうですよね?)
- 很多台灣人說臭豆腐越臭越好吃。(多くの台湾人は臭豆腐は臭ければ臭いほど美味しいと言う。)
構造
このパターンでは、Aは動作か状態です。しかしBは状態のみです。
- 很多東西都是用得越久越容易壞。(多くの物は全て、使うのが長期間であればあるほど壊れる。)
- 他忘了把資料存在哪裡了,越急越找不到。(彼は資料をどこに保存したのか忘れた。急げば急ぐほど探せない。)
- 他們越走越遠,已經不知道回民宿的路了。(彼らは歩けば歩くほど遠い。すでに民宿までの帰る道のりがわからない。)
- 弟弟現在包餃子,越包越好了。(弟は今餃子を包んでいるところで、包めば包むほど良くなる。)
- 這個音樂,我越聽越喜歡。(この音楽、私は聞けば聞くほど好き。)
- 疑問文:「是不是」はこのパターンのために唯一可能な構造です。
- 你的字是不是寫得越快越不好看?(あなたの字は、書くのが速ければ速いほど汚くなるよね?)
- 越健康的食物是不是越不好吃?(健康であればあるほど食べ物は不味くなるよね?)
- 禮物是不是越貴,大家越喜歡?(プレゼントは高価であればあるほど、みんな喜ぶよね?)
使い方
AとBは両方とも同じ句の中で現れます。しかし時々これらは2つの別々の句の中で現れます。
- 你越忙,越應該找時間運動運動。(あなたは忙しければ忙しいほど、時間を見つけて軽く運動すべきだ。)
- 泡菜放的時間越長,味道越酸。(キムチを付ける時間は長ければ長いほど、味は酸っぱくなる。)
- 離捷運站越近的房子,房租越貴。(地下鉄駅から近ければ近い家ほど、家賃は高くなる。)
- 垃圾分類做得越好,可以回收的資源越多。(ゴミの分別を良くすればするほど、回収できる資源は多い。)
補足・まとめ
S:主語、A:動作動詞(V)か状態動詞(Vs)か形容動詞(Vst)、B:状態動詞(Vs)か形容動詞(Vst)
文法構造
- 肯定文:
- 越A越B
- S1越A,S2越B
- 否定文:Bの中にしか否定辞は置けない
- 越A越不B
- 疑問文:「是不是」でのみ疑問文を作れる
- 是不是越A越B
意味
AすればするほどBだ
ポイント
「越A越B」で最もよく使う形は「越來越Vs」で、「ますますVs」という意味です。例えば、
- 在我的國家,結婚的年紀越來越晚。
- 在世界上,人口越來越多。
「越A越B」は「越來越Vs」の他にも、(1)越Vs越Vs、(2)越Vs越Vst、(3)越V越Vs、(4)越V越Vst、の4パターンがあります。
- 越Vs越Vs / 越Vs,越Vs
- 水果越紅越甜。(日本語訳:果物は赤であればあるほど甘い。)
- 人人都說東西越貴越好。(日本語訳:人々は物は高価であればあるほど良いとみんな言う。)
- 越Vs越Vst / 越Vs,越Vst
- 男生越壞,女生越愛。(日本語訳:男子は悪ければ悪いほど、女子は愛する。)
- 小張越忙越覺得開心。(日本語訳:小張は忙しければ忙しいほど幸せに感じる。)
- 越V越Vs / 越V,越Vs
- 弟弟現在包餃子,越包越好了。(構造の例文4)
- 我的漢字越寫越漂亮。(日本語訳:私の漢字は書けば書くほど綺麗になる。)
- 越V越Vst / 越V,越Vst
- 這個音樂,我越聽越喜歡。(構造の例文5)
- 我越學越了解中文。(日本語訳:私は学べば学ぶほど中国語を理解する。)
「越來越Vs」と同じ意味の構文として「一M比一MVs」があります。「一M比一MVs」は、當代中文課程2の第十五課(レッスン15)『「一 M 比 一 M」を伴って状態を強める|ますますX、前回よりもっとX』で詳しく説明していますので、気になる方は見てみてくだだい。
対比的な要素としての主題
機能
中国語の主題は文の対比的な要素としての役割を持ちます。すなわち「this, but not that⋯⋯(これ、しかし⋯⋯ではない)」を意味します。主語か目的語のいずれかを対比することができます。
- A:台灣小吃,你都喜歡嗎?(台湾の軽食、あなたは好きですか?)
B:水餃、包子,我喜歡;臭豆腐,我討厭。(茹で餃子、包子、私は好き。臭豆腐、私は嫌い。) - A:你建議我們帶什麼東西去旅行?(あなたは私たちに何を持って旅行へ行くか提案する?)
B:錢、手機一定要帶;藥,不一定要帶。(お金、携帯電話は必ず持つ。薬は必ずではない。) - A:高美玲有教語言的經驗嗎?(高美玲は言語を教えた経験がある?)
B:教法文的經驗,她有;教西班牙語的經驗,她沒有。(フランス語を教えた経験、彼女はある。スペイン語を教えた経験、彼女はない。) - A:馬安同是不是會騎車?(馬安同は自転車に乗ることができるよね?)
B:機車,他不會騎,他只會騎腳踏車。(バイク、彼は乗ることができない。彼は唯一自転車に乗ることができる。) - A:他們都會包小籠包嗎?(彼らは小籠包を包むことができる?)
B:包小籠包,陳月美不會,可是白如玉會。(小籠包を包むこと、陳月美はできない。しかし、白如玉はできる。)
補足・まとめ
S:主語、VP:動詞句、主題:目的語(O)
文法構造
- 主題1,S+VP;主題2,S+VP。
- 主題(O1),S+VP,S+V+O2。
意味
- 主題1、SはVPです;主題2,SはVPです。
- 主題(O1)、SはVPする、SはO2をVする。
ポイント
中国語は主題同士を対照的に述べることができます。しかし、普段の会話の中では、主題を前に持って行く文法自体をあまり使わないので、この文法もあまり使いません。
課室活動
1. いろいろな食習慣や生活習慣
- 目標:いろいろな食習慣や生活習慣について話すことを学ぶ
- 課題:あなたの友だちかクラスメイトに彼らの食習慣と生活習慣について取材してください。例えば、彼ら(取材相手)の国の人々が食べないものか特に食べるのが好きなものはありますか?彼らは朝ごはんにいつも何を食べていますか?彼らはいつ夕食を食べますか?などを尋ねてください。あなたが見つけ出したことをクラスでシェアしてください。
2. 好き嫌い
- 目標:好き嫌いを表現する方法を学ぶ
- 課題:先生による(スタートの)合図で、可能な限り素早く「越A越B」を使って文を作ってください。
話題 | 越A越B |
---|---|
臭豆腐 | 臭豆腐越臭越好吃。(日本語訳:臭豆腐は臭ければ臭いほど美味しい。) |
我喜歡我的咖啡⋯⋯ | |
大家都希望薪水⋯⋯ | |
我喜歡事情⋯⋯ | |
檸檬魚 |
3. アンケートする
- 目標:一般的な食習慣と生活習慣に関連する言葉を読んだり理解することを学ぶ
- 課題:(テキストの)下の食習慣のアンケートを使って、クラスの外の5人に尋ねてください。あなたが見つけ出したことをクラスで報告してください。例えば、あなたが取材した人数は?ベジタリアンの人数は?牛肉が好きな人数は?焼き料理が好きな人数は?
你 | □吃素,□不吃素 |
你吃 | □蛋,□辣椒,□豬肉,□牛肉,□魚 |
你喜歡吃 | □辣的,□酸的,□鹹的,□甜的,□烤的,□炸的,□煮的,□蒸的 |
4. レストランを選ぶ
- 目標:選択を説明することを学ぶ
- 課題:クラスメイトとペアになってください。AがBを夕食に誘っている(テキストの)次の会話を完成させてください。あなたは、特別メニュー、価格、どのようにレストランまで行くのか等々のことについて話すことができます。
- 例:
- A:我們明天去春天餐廳吃晚飯。(私たちは明日春のレストランへ晩ご飯を食べに行く。)
- B:為什麼要去那家餐廳?(どうしてそのレストランに行きたいの?)
- A:因為⋯⋯(なぜならば⋯⋯)
補足・まとめ
ポイント
他者に質問する中で「越A越B」の使い方を練習しましょう。
「當代中文課程」シリーズの日本語訳リンク
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